地元・兵庫県の加東市出身。蝉川泰果(せみかわ・たいが)が、2日連続の「64」。
ボギーなしの8アンダーで回りきり、首位と2打差の3位で、地元Vに期待を持たせた。
5打差の13位タイから出て、2番で右奥から8メートルを決めると、4番から4連続バーディが来た。
大きなクラブで抑えて打つ今までの戦略を、今週から一新。「手前でもいい。ロングパットを残してもいいからちょうどのクラブで振り切ることを心がけた」と、チャンスを量産。
また、取りこぼしが多かった1メートル前後のパット練習にも力を入れた。
「いろんな方向から毎日1時間くらい。感性に任せて打つようにして、どういう動きをしたらどういうミスが出るのか」と、徹底分析。
練習日には関西の大ベテラン谷口徹とラウンドし、「フォロースルーを長くとったほうがいい」と、ヒントをもらったことで、ミスヒットも激減。
「もっと遊びをきかすように」との谷口のアドバイスでウェッジのシャフトを軽くしたことで、グリーン周りの感性も格段に上がった。
開催直前に地元の加東市役所でプロ宣言し、アマ2勝の大看板を背負って昨年の本大会でプロデビューをした。
「少しのミスが許せなくなっていた」と、気づかされたのは先週。
父・佳明さんからの指摘がきっかけだった。
「もっと大らかに、ガッツを出して」と、地元で原点回帰のV争いだ。
3日・金曜日の祝日から、スタートの1番ティでは毎日、地元・加東市の中学生による選手紹介のアナウンス体験が実施され、「僕も、中学時代は人前に出るのが苦手でしたが、高校、大学でいろんな経験をして変わることができたので。凄く良い経験」と、自分と重ねる。
ギャラリープラザには、幼少期から家族とよく出かけたジェラート店「ブリランテ」も出店する。
「チョコチップ味が好きでした」と、思い出の味がよみがえる。
プレー後は毎日、応援に来てくれる家族とコースのクラブハウスで名物の「カレーラーメン」に舌鼓。
きのうは、帰りがけに地元の行きつけで久しぶりに髪もさっぱりカットした。
程よく肩の力を抜けるのも、自宅通勤の醍醐味だ。
初日は予選通過も危うい62位から、2日目に2イーグルを含む8アンダーの64で予選を突破し、この日もたくさんの声援を受けながら、V争いにこぎつけた。
「ここまできたら優勝を狙って、プロ2勝目をこの地で挙げられたらうれしい」。
地元での転向から丸1年。おのずとタイガの気持ちも高ぶる。