最後18番も、池ポチャのボギー締めだった。
うつむきがちに上がった背中に声をかけられ、慌てて顔を上げた。
2012年からスポンサー契約を結ぶ大会特別協賛「株式会社マイナビ」の中川信行・取締役会長に出迎えられ恐縮していた。
今年は同社の創業50周年。
記念大会に、大きな成績では応えられなかったが、「最低限」と話していた予選は突破。
2002年から守ってきたシード権を、最初に失った2014年も、2度目の陥落した2017年も変わらず、支えてもらってきたばかりか、「オフもいろんな形でお仕事をいただいています」と、感謝する。
転職サイトの契約プロらしく、「いろんな身の振り方がある」と前向きに、シード陥落時にたち上げたゴルフスクールや動画チャンネルも今では完全に軌道に乗った。
もちろん、“本業”でも復活を目指す気持はいっぱいだが、今年春から続いている五十肩に加えて、ここ10日間ほど原因不明の咳にも悩まされている。
「この年になると色々ありますよ」と、46歳の実感がこもるが「まだまだ、“シニア”という言葉は言いたくない」と、気を張る。
「またゴルフに特化したトレーニングも本格的に再開しようと思ってるんです」と、意欲的だ。
今季は、残すところあと1試合となり、現在賞金ランクは160位。シード権の上位65人にはほど遠いが「今年もQTで頑張ってきます!」と、笑う声に悲壮感はなかった。