だが、転落の2ダブルボギーは「両方バットスイング。6番は左の林の木になって、11番は右OBです」。
さらに13番もティショットが「めちゃくちゃ右に行った」と、ミスが続き、この日唯一のボギーで通算1アンダーまで沈んだところで最後の最後に起死回生がやってきた。
「狭くて、罠のあるパー5」と畏れる18番で、「左からの風を警戒しすぎずに打てた」と、フェアウェイを捉えると、残り197ヤードを5アイアンで2オン成功。
「狙ったところに落とせた」と会心の2打目で作った左10メートルのイーグルトライをねじ込みガッツポーズを突き上げた。
「日本オープン」は、2008年から2年連続の2位(2009年はタイ)や2010年が8位タイにつけるなど、より多く優勝に肉薄したのはいずれも10代のころ。
「こんな良い位置にいるのはだいぶ昔」と32歳は苦笑し、「覚えてないですよ、もう・・・」と、可笑しそうに目を細めた。
コロナ禍で始めたスイング改造も4年目に突入し「巡り巡ってまたドライバーを持つこともある」と、この日も2日連続で全ホールを1Wで攻め抜いた。
「作り上げてきた自分の支えとなる部分はきょうだけじゃなく、徐々にできるようになっている」。
予選ラウンドは現在賞金2位の中島啓太(なかじま・けいた)と、欧州ツアーで勝ったばかりの久常涼(ひさつね・りょう)と3人で濃密な時を過ごした。
「凄い楽しい2日間」。
日本一を決める決勝ラウンドは今度、一対一の2サムプレーで行う。
「リズムも変わって、というのもある。楽しみな週末になるように」。
初タイトルに向けて土日もワクワクする。