悲願の初優勝をビッグタイトルで飾った。
この日は、3打差の7位タイから出て8、9番共にピンそばの連続バーディ。
首位の平本を捉えて接戦を始めた。
後半13番から立て続けにきわどいパーセーブを続けてじわりと突き放すと、15番でまたベタピンバーディ。
終盤は、14番パー3でスーパーショットを打つなど1差で迫ってきた石川遼と競り合いになったが、1差で迎えた18番で右の林の中から会心の一撃が飛び出した。
247ヤードの2打目で逃げずに、4アイアンで2オンチャレンジ。
ピン右手前に乗せると2パットのバーディを奪った。
通算8アンダーで2打差をつけて、すぐ後ろの組の石川のプレーを待った。
3打目勝負の石川のアプローチが外れたのを見て、仲間が次々と抱きつきに来た。
大勢の中に、大ベテランの顔を見つけると、その胸になだれ込み号泣。
コースから車で10分のところに住む谷口徹(たにぐち・とおる)がわざわざ岩﨑を応援に来ていた。
岩﨑は、目をかけている若手の一人だそうで、昨季賞金3位の資格で欧州・DPワールドツアーを転戦し、苦労を重ねていた岩﨑のことも応援していた。
前半の戦況を見て、駆けつけ11番から観戦。
谷口が男子ゴルフでロープ外を歩くのは初めてだそうだ。
「あいつ僕のことをパパって呼ぶんです。昨日もラインでパパ、頑張るよって。有限実行してくれた」(谷口)。
55歳の目からもとめどなく涙がこぼれた。
石川は2打差の2位。
単独首位で出た平本世中は5打差の3位タイに終わった。