昨秋に発症した左親指腱鞘炎から復帰の上井邦浩(かみい・くにひろ)は、出場上限最後の4試合目を7位タイでフィニッシュした。
「最後リーダーボードを見てこれ入れないとダメと思った」と、
執念で決めきったが、条件を満たすには9万8916円足りなかった。
ここに至るまでの経緯「プロ17年目の試練。公傷の上井邦浩「これが現状」あと186万円のラストチャンス」
次週の「ミズノオープン」は、直近トップ10の資格で出られるが、次週以降のメンバー資格の維持は逃した。
それでも、最終日は通算11アンダーの15位タイから出て、最後まで諦めない姿勢を見せた。
互いに吉田直樹コーチに教わる縁で今週、キャディをつとめた脇元桜さん。
「上井さんは、気持ちがすごく強くて。マネジメントも取るところは取る、守るところは守る。徹底できるのは、上井さんが普段やることやっているから」。
土壇場の気迫を肌身で感じたという。
お姉さんは女子プロの脇元華さんで、桜さん自身もプロを目指している。
でも、「自分が出しゃばって、邪魔になってはいけない」と最初、遠慮がちだった桜さんに上井は言った。
「学びたいなら欲を出せ」。
言われてからは、桜さんから積極的に質問しながら回ったという。
「私も上井さんのように、やることやって頑張りたい」と、兄弟子の姿に奮い立っていた。
惜しくも出場資格を失ったが、「やることはやった」と、上井にも悔いはない。
今後は推薦出場や、予選会の挑戦など模索していくことになるが、「ここから毎週トップ10なら出られるでしょ?」と、ニヤっとした。