この日はイーブンパーのカットライン際から出て、1番と9番とで2バーディ。
スコアを落とさず圏内でターンをしたが、ピンマイクを装着した後半のインコースは出入りが激しくなった。
11番では、「ライがラフで深くてジャッジミス」と、第2打がグリーンの奥に飛んだ際には「そんなに飛ぶか―」とため息も漏れた、4オン2パットのダブルボギー。
圏外に弾かれた。
13番で長めのバーディパットが決まった際には思わず「良かった」と、つぶやいた。
はじめてピンマイクを付けてプレーした6月の「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」では初日に6位に立ち、2日目に首位に浮上する上位争いを“実況”できたが、この日、赤裸々に伝えたのはカットライン上でのせめぎ合い。
「ミスもしたし、全部が全部、上手くいっていた訳ではない。キャディさんとの反省会をしているのも聞かれていると思いますし、正直、聞かれたくないところも聞かれたかなと思う」と本音を明かすが「でも、それを含めてのリアル」と、石川は言い張る。
予選通過が危うい位置でのピンマイクの装着には、「信じられない」といった声もあったそうだ。
でもV争いも、決勝進出を賭けたプレーも真剣勝負に違いはなく、「その瞬間こそがエンターテインメントだと思っていますし、ファンの楽しみのひとつになるのではないか。やる意義はあると思うし僕は全然平気です」と、厭わない。
「スポンサーと、選手とファンにとっていい前例を作っていければ、しっかりとしたものになっていくと思う。今後も選手会や、JGTOとも話をして進めていきたい」と、あくまで建設姿勢を崩さなかった。
16番で2打目がバンカー目玉になり、またボギーを打つなど、さまよい歩いて迎えた最後18番は通算イーブンパー。
第3打を打つ前に、確認したグリーンサイドのスコアボードでは、決勝進出に1打足りない状況で、1.2メートルのチャンスを作って土壇場バーディ。
薄氷の決勝進出を、ありのまま伝えきったがそれでもまだ、「現状だと現地で僕らの声は聞こえない。将来的には現地のギャラリーにもラジオや、チャンネルを合わせれば聞けるというようなこともあっていい。多チャンネルで聞きたい選手を選べたり…」などと、アイディアは尽きなかった。