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〜全英への道〜ミズノオープン 2024

木下稜介を蘇らせた奇跡の1打「丸々2打得した気分」V3で全英へ




練習仲間の堀川と、並んで出たこの日は「ティショットが良くなくて。グリーンに乗せるのが大変でした」と、3番のパー3で右の傾斜のラフに外してボギーが先行した。

その後も「なかなかバーディパットが打てない」と、時間はじりじりと過ぎたが8番、9番ではいずれも3メートル前後をしのぐなど、我慢はできた。

やっとピンそばについた11番のOKバーディから、ふいに再上昇の波が来た。
続く12番では右の上のカラーでパターを握った20ヤード超の“バーディトライ”が大きなフックラインを描いてカップに沈んだ。

一瞬、ぽかんとなった。
ガッツポーズも戸惑いながら握った。
大きく両手を広げたリアクションも、とってつけたみたいになった。
嬉しいのと、照れくさいので苦笑が止まず、脱いだ帽子で顔を隠した。




      旗竿の根元をはじいたボールはあまりの勢いに、一度カップから飛び出したそうだ。
      同組の堀川に、「外れていたらラフからのアプローチでしたよ」と、言われて「ボギーがバーディになったみたい。丸々2打得した感じ」。
      起死回生の1打にまた苦笑した。

      16番の連続バーディで、途中3差を許していた今平周吾(いまひら・しゅうご)に追いついた。
      「優勝して全英オープンに行きたいです」。
      3年ぶりの通算3勝目で、3年ぶり2度目の舞台へ。
      栄光のその先に、夢のリンクスコースが待っている。

      ※リンクスコースとは…海沿いの地形を生かして作られたゴルフコースを指してよくいわれる。砂地で、木々が少なく、強い風が吹くのが特徴で、ゴルフ発祥と言われるスコットランドに多く点在する。

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