前半の5番のパー5では、211ヤードの2打目を4アイアンで手前3メートルにつけるイーグルもあった。
「パットがすごくよかった。タッチもラインも読めている」と、今週からヘッドをちょっと小さめに変えたという長尺パターを助けに思い入れの輪厚で好発進した。
今オフ、左ひざの半月板を断裂した影響で、現在も歩行がちょっとつらいが短パン解禁の8月には、患部に巻いたサポーターもファッションの一部にして渾身プレー。
今年も夏休みを利用して、長女の萊杏(らん)さんが応援に来てくれた「Sansan KBCオーガスタ」では、今季2度目のトップ10(8位)を記録して喜ばせていた。
夏場はぽつぽつと日程が空いた週にも「盛り上げたい」と、ツアー外競技でも試合を続けた。
44歳。
「ずっと連戦しているので疲れます」と苦笑しながら、ほかにも契約先「リシャールミルジャパン」のチャリティマッチや、ジュニア育成イベントなど予定を詰め込み、普及につとめてきた。
2017年には、史上初の選手会長・賞金王に就いた。
同理事として運営を支える今も、自覚と責任感は人一倍。
50回目を迎えた今大会にも、感謝に堪えない。
「本当にすごいこと。僕らが生まれる前から開催していただいて、ありがたいしかない」と、噛み締めながら歩いている。
記念大会に際して、今も強烈に思い出すのは東北福祉大のアマ期に初出場した2002年大会だ。
6位タイの成績を残してベストアマ賞の表彰を待っていた目の前で、ジャンボこと尾崎将司が、大会7勝目を55歳のツアー史上最年長Vで飾った。
「ジャンボさんの最後の優勝を見て、僕もいつかこういうふうに優勝したいなと思ってきた」と、秘めた思いがある。
あれから17回出て、2015年の2位が最高。
「楽しみな残り3日間にしたい」と好発進にも押されて自分に期待する。
「明日もしっかり伸ばしていくことが大事だと思いますので。残って練習します」。
ひざの状態は要注意だが、あの日のジャンボよりまだ11歳も若い。