前半をボギーなしの4バーディで折り返すと、インターバルでピンマイクを装着してから臨んだ後半インの9ホールは3バーディ1ボギーのトータル「66」。
首位とはわずか3差の6アンダーは、6位タイでの滑り出しに、「きょうは2打、3打くらいしか、もったいないところはなかった。全体的にはよかった」と、安堵した。
選手会主催大会で、ツアー初の試みとして、ピンマイクをつけてのプレーを発案し、自ら実行に移した。
「最初は自分だけのつもりでした」という。
「でも、周りの方々から、キャディさんとの会話が全部聞こえたほうがいいんじゃないか、と言われて。僕のわがままを聞いてくれた」と、ともにピンマイクをつけて歩いてくれた佐藤キャディと最終ホールで互いに言ったのが、「緊張したね」という一声だった。
装着して最初の10番がピークで、のぼりフックの5メートルのバーディチャンスに対して「30センチオーバーさせます」と、言って打った瞬間、1メートルもオーバー。
「ショートしたらどうしよう、と思ったら、打ちすぎてしまった」と、苦笑する。
打つ直前に、距離や番手や、打ち出すイメージ等、まるで解説するようにショットするのは、この日に限ってピンマイクがあったからではない。
「リアルです。いつもこんな感じでやってます」という日常を、いつも通りに再現した。
ペナルティエリアで球を捜索しながらパーを拾った11番や、グリーン上でウェッジを使ってみごとな寄せを見せた14番、また「完璧すぎた」と自画自賛した17番の2打目など、「だんだんマイクを忘れていった」という上がりホールは、いつも佐藤さんと使っている「専門用語」もぽんぽん飛び出し、好ショットがよりドラマチックに。
同組の堀川未来夢(ほりかわ・みくむ)がマイクを意識し、普段以上に声を張ってくれたおかげで、組全体も、より盛り上がった。
ABEMAのブースに座る解説陣も、視聴者から届くコメントにも「一緒に回っているみたい」などと、好意的なコメントが躍った。
「これをきっかけにつけたがる選手が出てきてくれたら相乗効果でいいけれど…」と、ひそかに今後の波及効果を期待しながら「明日もやります!」と、宣言。
「2日目は8時(インスタート)から出て10時半ごろからまたマイクをつけます。明日はもう少し口数を増やします…w」と、アピールした。