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JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品 2024

河野祐輝が、自身2度目の最終日最終組で、自身初の石川と同組「遼くん、好き」あこがれの後輩とV争いへ

ネット中継「ABEMA」のおかげだ。
選手会主催大会で、一気に知名度がアップした。

36歳、プロは17年目。
河野祐輝(こうの・ゆうき)が足を捻挫しながら、2位につけた初日から、2日目も5位と好プレーを続けて、3日目についに自身初の単独首位に。



3打差の通算11アンダーから出たこの日は、「ずっとフェアウェイ行って、ずっと得意な距離が残って、パットもすごい集中状態で入れられた」と、前半アウトは自己最少の「29」をマーク。
「気づいたら、19アンダー行ってました」と、土曜日にゾーンに入った。

1日、頭の中で「リピートしていた」というのが、朝コースに来るまでの車中で聞いていたアニメ「ワンピース」の主題歌「最高到達点」。
「俺の最高を出しとけばいいんだ、と1人でずっとつぶやきながら」と、ボギーは最後の18番ひとつだけにとどめた。

単独2位の石川遼と2打差をつけ、2013年の「日本プロ」で同じ愛媛の松山英樹と回って以来となる自身2度目の最終日最終組になった。

石川とは初の同組。

V争いのプレッシャーはあまりないそうだが「むしろあの遼くんと回ることのほうが緊張する」と、ドキドキする。
自分のほうが3つも上だが、「ツアーに出てる以上は、記念に回っておきたいな、と思っていた。自慢にしたい」と、笑う。

「今週会って、遼くんからお久しぶりです、って。覚えててくれた。やっぱりすごく好き」と、改めて心酔する。
2008年にプロ転向し、13年に賞金シードを獲得したが、すぐ翌年に陥落したまま。

レギュラーツアーはこの選手会主催試合が今季初出場で、昨年7月の「日本プロ」以来。
今週は、4年ぶりに突破したファイナルQTの資格が下りてきた。

「おまけみたいに出られた試合でこの位置にいられる」と、自分に驚くが、今年から4番アイアンのかわりに入れた5番ユーティリティで長い距離でもグリーンに止められるし、軸足を右に変更したドローボールでショットも好調。

好プレーの根拠はある。

ついに単独トップに立った3日目のABEMA中継で、コメント欄に初日以上に「カッピー」の文字であふれた。
「カピバラ」に似ていることからデビュー時についたあだ名だったが、これまではごく身内だけが知る程度だった。
それが、今回のV争いで一気に周知。

この日も、会場でロープの外から「カッピー」の声援が飛んだ。

「みんな楽しそうに呼んでくださるので僕も楽しくなる」と、これを機会にインスタグラムのアカウント名を「YUKI_KAPI_」に変え、自己紹介のプロフィールも「カピバラ界のプロゴルファーやってます」。
すっかり“カッピー”になりきり、日曜へ。

プレー後は毎日、ツアー帯同の成瀬コーチの世話になり、捻挫の足も、セルフカートのハンドル操作で疲れた右手も問題ない。

今季初戦でふいに迎えた初Vチャンス。
「明日もできることに集中し、自分のプレーができたら嬉しいな」と、気負わない。

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