Tournament article

JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品 2024

勝って水浴びしたのは初めて。石川遼の圧トゥー的な実行委員長V

石川遼が勝って水浴びしたのは、この通算19勝目が初めて。
待ち構えた仲間たちの姿を見つけて、たちまち笑み崩れた。



ちょっぴりどぎまぎしながら、それでも意を決してタタタタタっと水の中に駆け込むと、滴る髪をかき上げ、破顔一笑。



「おー、まぢかー。こんなんなるの?!」と、初体験にとても無邪気な声が出た。
みんな一丸で取り組んできた大会の最後にみんなから祝福されて、「すごく嬉しかった」と、喜んだ。

V直後のインタビューは、予選敗退しながらコースに居残りABEMAのリポーターとしてついて歩いてくれた堀川未来夢(ほりかわ・みくむ)に受けた。


「“石川遼くん”の優勝争いは、以前はもっとアグレッシブでしたが、きょうの“石川遼さん”は1%でも確実に勝利をもぎ取るような勝ち方に見えましたがどうなんですか」などと聞かれて、「ずっと一緒にやってきた未来夢だからこその着眼点です」と、唸った。


確かに、石川もキーに上げるのは、ロストボールをしながらボギーで踏みとどまった11番や、「絶対ボギーにしないマネジメントを考えた」と、あえて2打目を刻んで手堅いバーディで終盤の混戦から抜け出した16番や、最後勝ち切るために、右のラフから刻んで確実にボギーで上がった18番など。たとえロングゲームで失敗しても、「日ごろからやっていることを発揮して、ミスをカバーできる部分があればいい」と、ここ数年、石川が注力してきた部分を察知して、質問してきた堀川に感心した。


優勝杯のプレゼンターは、昨年覇者の大会会長として、表彰式に臨んだ選手会長の谷原秀人(たにはら・ひでと)がつとめた。



「しんどかったと思う」と、谷原。ABEMAの生中継向けに、ピンマイクをつけてプレーするツアー初の試みを提案し、「どうなるかわからないから」と、自らその実験台となり、予選2日間とも上位争いでその臨場感を伝えた石川をねぎらい、「遼たちがすごく頑張ってくれたので、大会が成功した」と感謝。

選手会長から直々に礼を受け、この春就任したばかりの大会実行委員長として、その努力も報われた。

表彰式後のプロのカメラマンさんたちによる記念撮影会のあと、ギャラリーのみなさん向けにも優勝者の撮影タイムを取りませんか、と提案したのも石川で、こちらの施策もまた自らモデルをつとめて盛り上げた。



    「ギャラリーのみなさん、テレビを視聴してくださっている皆さん、地元、関係者のみなさんにどうやったら楽しんでいただけるか。選手みんなで話し合い、生まれてきたのがこの大会です。僕ら選手だけでなく、大会にかかわるすべての方々がウィンウィンになる大会に育てていきたい」。

    選手たち自らが立ち上げ、選手たち自らが作り上げてきた第4回大会を総括し、実行委員長として改めて展望を述べたが、選手との両立はいうほど簡単ではないし、誰でも出来ることではない。

    それをあたかも台本があったみたいにやってのけるのが、石川遼の持ってる力。



    この通算19勝目が「背中を押してくれる」と言った。
    「早く次のメジャーに行きたくてしょうがない。明日いきなりどうぞと言われても、もう少し準備をさせて、となるけどいまその日がいつ来てもいいくらいに燃えています」などと、先週の「全米オープン」から帰ってすぐの勝利だったというのも、また絵になる。



    最終日は2打差の2位から出て、終盤に首位でもつれた金子駆大(かねこ・こうた)田中裕基(たなか・ひろき)ら若い選手の壁にもなった。

    「みんなものすごい選手たちばかりですし、心技体、14本のクラブを駆使していろいろな戦い方ができるスポーツ。そこに注目して男子ゴルフを見て欲しい。僕たちも、自分たちの個性を前面に発揮して、バチバチやれれば。自分ももっとそこに加わっていけたらいいな」と、まれにみる大混戦を制した直後のアピールなら説得力も倍増だ。



    第1回から特別協賛をつとめてくださるサトウ食品さんからいただいたV副賞は、サトウのごはん10年分。

    普段から、体重管理のために、毎食220グラム~260グラムのごはんを計って、調整しながら食べているのだそうだ。
    「いただいたのはワンパック200グラムです。体を絞りたいときにぴったりですね。めちゃくちゃ嬉しい」。
    賞品を引き立てるコメントも100点満点。
    まさに大会実行委員長の圧トゥー的勝利だった。


    関連記事