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BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 2024

石川遼は宍戸で自己ベストの2位⇒全米OPへ「ねじ伏せようというよりは」

3日目まで若者であふれたリーダーボードで結局、最後に残ったのは宍戸を知り尽くした2人だった。

32歳の石川遼は、先に通算13アンダーであがり、1時間待って43歳の岩田寛とプレーオフに臨んだが、ボギーで敗れた。


「気持ち的にも焦りはなかったですけど、紙一重のところがあったかなという感じ」と、惜敗の弁を述べた。



本戦は、5打差の18位タイから出て、1イーグルと8バーディ、2ボギーの「63」と見事な追い上げ。

ただ、「一か八かでガンガン行ってこのスコアを狙って獲った、いうよりは、4日間とも自分のゲームプランを何も変えずに。なんなら、今日が一番硬めにプレーして、このスコアだった」といわば終始、冷静な猛攻だった。


1番でティショットを右の林のほうに曲げてボギーを先行させたが、ここでも「焦ることはなかった」と、すぐ2番から3連続バーディ。

588ヤードの6番パー5では、30ヤードの第3打をカップイン。イーグルも出た。


そこから難しい前半の上がりホールをこらえて折り返すと再び10番から猛追し、12番から連続バーディ。
一気に首位に迫った。


再び難しい上がりホールも勢いは止めず、16番パー3では奥の傾斜を使って巧みにチャンスを創造し、難しい17番パー4ではティショットをフェアウェイ真ん中。

バーディはならなかったが、狭いエリアを狙って見せ場を作ると、最後18番は、左のバンカーから狙った2打目が入りかけ。


圧巻のバーディ締めに起こった歓声は、ちょうど14番にいた岩田の耳にも届いたそうで、「遼が余計なことをしてくれたので…」と、岩田のボギーを誘発したほどだった。


過去11回出て初出場の2008年も含めて予選落ちが5度、自己ベストは3度目の挑戦だった2015年の15位タイ。

今年は開幕前に「超得意です」とわざと強がりを言って笑わせた因縁のコース攻略まであと一歩に迫ったが、最終組の岩田を待って臨んだプレーオフで、ラフを渡り歩いてボギーで負けた。


「プレーオフの前までは、全然暑くなかったですけど、今はすごく暑いです」と、さすがに岩田と73ホール目の1対1は熱かった。

「3打目のアプローチを寄せきりたかった」と悔いは残るが、「うまく攻略しようっていうのはここ10年くらい思っています(笑)」という宍戸で、「最終日に一番良いゲーム運びができた。結果以上の収穫がすごくあった1週間でした」と、大会自己ベストの2位に納得している。


日本予選のトップ通過で手にした次週6月13日ー16日の「全米オープン」は、ノースカロライナ州のパインハースト&CCが舞台だ。

「自分のなにかでねじ伏せようというよりは、状況を冷静に見て、状況に対してベストを尽くしていきたいです。周りうんぬんというよりは、自分の基準をしっかりぶらさずに、というゴルフをしたいです」。

米の怪物コースでも、宍戸での学びが生きるといい。

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