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バンテリン東海クラシック 2024

金谷拓実を唯一振り向かせる男。発多ヤマトが三好で初の決勝へ

常にコースと自分との戦いに徹し、あれだけわき目もふらずに戦う金谷拓実(かなや・たくみ)を唯一、振り向かせる男がいる。
プロ3季目の発多ヤマト(はった・やまと)は東海3県の三重出身。



東北福祉大で1学年先輩だった金谷をこよなく敬愛する25歳だ。

ツアーの出場資格はまだない。
本大会は、昨年に続いて月曜日の予選会「マンデートーナメント」を突破。
2年連続で、出場にこぎつけた。


    昨年大会は90位で予選敗退したが、今年は通算5アンダーの12位タイと好位置で通過できたのは、三好所属のベテラン、上井邦浩(かみい・くにひろ)のおかげもある。


    今年から同コースのご厚意で練習させてもらえるようになったと言い、「上井さんに攻め方を教えていただいたのが生きた」と、昨年の2日目は左に落としてダブルボギーを叩いた鬼門の前半16番パー3もしっかりグリーンを捉えてパーセーブができた。

    イーブンパーで入った後半は4番で、「去年はグリーンの奥まで行ってしまった」という2打目を、今年はピン2.5メートルの大チャンスに。

    「打ち方、番手もしっかりと考えて今年はミスをしないように」と反省を生かしてリベンジすると、そこから一気に3連続バーディ。

    そんな発多が順位を上げてきたスコアボードを凝視していたという金谷。
    「あー、通るなーと思って」と、なぜかとても残念そう。

    「笑顔で回ってるんやろなーと思って。つまんないな」と、プレー後に可愛い後輩にわざと意地悪を言って破顔一笑。
    「ナイス!」と、グータッチをした金谷も通算5アンダーで、発多と並んで決勝へ。


      発多(右)といるとついつい笑顔がこぼれる金谷です



        3日目に初の同組対決が実現し、「嬉しすぎる」と、感激していた。
        大学卒業時に受験したQTファーストで落選し、帰路の高速パーキングで「ここにキャディバッグを捨てて帰る」と、号泣する発多を懸命になだめ、思いとどまらせてくれたのも金谷だった。
        以来、金谷の広島の実家まで押しかけレッスンしてもらったり、オフ合宿に加えてもらったりと、いろいろ世話になっている。

        予選会を突破して、今季3戦目にこぎつけた今週は、「日が暮れるまで練習しろ」との言いつけを守って日々勉強中。
        「金谷さんに食らいついていけるように。頑張って練習します」。
        大好きな先輩との初ラウンドに備えて、打撃場に向かった。

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