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ダンロップフェニックストーナメント 2024

4打差圧勝のマクグリービー「ヒデキに勝てたのは財産」ホストプロが“立候補V”を飾るまで

通算22アンダーでの大会レコードを樹立し2位の松山らに4打差をつける見事な圧勝劇を演じたマクグリービーは、自ら招待外国人選手に立候補しての出場だったそうだ。



プロ転向の2017年と同時に、スリクソンの契約選手となったのを機に、本大会の評判を知り、「ずっと出てみたいと思っていた」という。

「今までは実力不足だったり、スケジュールが合わなかったり」(マクグリービー)と、ずっと先延ばしになっていたそうだが、今季の米二部ツアーで2勝を挙げ、来季PGAツアーの再昇格を決めたタイミングと、オフシーズンとがちょうど重なり、主催者への逆オファーに成功。

念願の初出場で、大会初制覇を果たした。

ファンや関係者から、「おめでとう」と声をかけられるたびに笑顔で「アリガト」と、答えていた。


    ジュニア時代の遠征試合以来となる2度目の来日では、出発前に日本語を学び、今年51回を迎える本大会の歴史も勉強してきたようだ。

    ウッズや、ケプカら歴代覇者に加えて、過去の出場選手リストもしっかりチェック。
    「本当にすごい人たちがたくさん来ている」。
    ビッグネームたちの名前に29歳も燃えないわけがない。

    4日間でボギーは初日の17番だけ。
    1995年の尾崎将司と、2004年のウッズと、2010年の池田勇太の4日間3ボギーをしのぐ1ボギーの安定感には松山も降参したが、世界ランク107位のマクグリービーにとっては、同ランク7位でメジャー覇者(21年マスターズ)の松山の存在こそ憧れだ。

    決勝ラウンドでの同組を、「夢がかなった」と表現し、「世界でも間違いなくベストプレーヤー。2日も一緒に回れたことに感謝をしたいですし、ヒデキと回って勝てたことは財産になる」と、本当に嬉しそうだった。



    県知事賞のV副賞「宮崎牛一頭分」は、優勝した海外招待選手が必ず喜びを口にする。
    マクグリービーも例外ではなく、その評判は今ではすっかり海を越え、それを目当てに日本に来る選手もいるほどだ。

    そしてそのたびに、温かく迎えてくださる地元宮崎の人々。
    「また来年以降もここに戻ってきてプレーするのが本当に楽しみ」(マクグリービー)。


    今年から、大会の名誉トーナメントアドバイザーに就任し、期間中もさまざまな行事で忙しかった青木功は、3日目土曜日の懇親会のスピーチで、「長いプロゴルフ人生、この大会での優勝がないことが心残り」と、恨めしそうだった。


    ツアー通算51勝を極めた伝説の男にさえ悔いを残させる。
    この大会を機に、世界での活躍を加速した選手も数多く、来季再びPGAツアーで戦うマクグリービーの今後にも期待がかかる。

    まさに国内外の選手たちに愛され、闘志を奮い立たせるビッグトーナメントである。

    昨年、節目の50回目を迎えた本大会は、今年の「51回大会」を、「これからの100年に向けた第一歩」と位置づけ、ここからまた一丸で取り組む決意で主催者、関係者のみなさんの心はひとつになっている。

    本大会を含めて、半世紀を超える歴史を持つトーナメントは11試合が今なお開催継続中。
    そのいずれもが、今や唯一無二のブランド力を放ち、多くの人々を惹きつけている。


    ここにたどり着くまでの主催者、関係者のみなさまのご努力と、これからのさらなる半世紀を見据える決意とご尽力に、改めて深く感謝申し上げます。

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