でも、夫人の地元、大阪に“転勤”してもう12年になる。
以来、帰省は地区競技の群馬県オープンに合わせてするくらい。
久しぶりの里帰りは、お世話になった方々のあいさつ回りで忙しい。
特にここ数年で恩人らによく言われるのが「温泉に来ないから、ゴルフもダメなんだよ」。
コロナ禍の20ー21年に、14年間守ってきた賞金シードを喪失した。
確かに、転居に伴いここ数年は、草津の名湯にも足が遠のきがちだった。
今季もQTから参戦する身としては、「そうですね……」。
苦笑いで認めるしかない。
「群馬にはおいしいものも多いですし、またゆっくり浸かりにきたいなと思います」と、郷愁が増す。
実は本大会も、初出場だ。
発足の一昨年は、直前のぎっくり腰できゅうきょキャンセル。
忘れもしない。
「火曜日に練習場で、7番アイアンを持って一発目にあっ、て…」。
無念の欠場したから、ツアー唯一のゲーム方式「ステーブルフォード」も今年がようやく初体験だ。
「ずっとパーより、3バーディ、3ボギーのほうが稼げるという…。思い切ったプレーができる」と、ゲームの特性は理解をするが、「最近年取って。攻め方が変わってきたんでね、ボギーのリスクを回避して…と、無理してやらなくなってきたので実際どうなるか」。
46歳なりに逡巡しながら初挑戦する。
会場の「THE CLUB golf village(旧:THE RAYSUM/ザ・レーサム)」は、武藤が高校時代に、創設された。
「すごいいいゴルフ場ができたと。群馬一だと当時から評判になっていました」。
昨年はあえて1回、大会を休止し、大胆なコース改良に着手され、ますますその美しさと戦略性が増した。
ラウンドは久しぶりだが、完全会員制の名門コースでオフ合宿や練習など、群馬時代は何度も使わせていただき、恩もある。
「来年も、再来年も長く大会を続けていただけるように。開催してよかったな、と言っていただけるように。僕も少しでも盛り上げていきたいな、と思います」。
昨年は、やはり群馬の小林伸太郎(こばやし・しんたろう)が初優勝を飾って盛り上がった。
今度は武藤が5年ぶりの復活Vで恩人らを喜ばす。