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スーパーマリオよみうりオープン 1999
細川和彦の弟・和也がツアー史上初の快挙達成に王手をかける!?
細川和彦の弟・和也。
当機構が今季から設けた新しい出場規定により研修生の身でありながら、春先のデサントクラシックでツアー初出場を果して以来、今大会で2戦目。
初挑戦は惜しくも1打足りず、予選落ちしたが、再びめぐってきたチャンスを、和也はどうやらものにできそうな感じなのだ。
5バーディ、3ボギーの70。午後から強く吹いた風と、硬いグリーンに各選手が苦しむ中、2アンダーの12位タイは絶好のスタートだ。
「2つ3つミスがあるから、自分としてのコース戦略は70点。でもスコア的には100 点かな」とニッコリ。
デサントで、1打足りずに予選落ちして帰ってから、こう思ったという。
「あのとききちんと予選通過していれば人生、変わったかもしれない、って」。
予選通過して注目を浴びれば、出場依頼はこれまで以上に増えるだろう。
この特別推薦枠で出場した研修生がまだひとりも予選通過を果していない。
もし、自分がその先陣を切ることになれば、ツアーに大きな話題をふりまける。だから今度こそ決勝まで駒を進め、自分の実力を、そして、新制度の効果を世間に認めてもらいたい、との思いが強いのだ。
「ゴルフ界を僕らでも盛り上げたい。そのためにはやっぱり明日がんばらないとね」と気を引き締めていた。
その和也にチクリと横槍は、兄の和彦。
「試合はそんなに甘いもんじゃないよ」とキツイお言葉が出た。
兄の言い分はこうだ。
「和也が予選通過するってことは、まさに新制度の成果を示すってことで、ものすごい大きな話題になるわけでしょ? つまり、和也の予選通過には、普通のツアープロが優勝争いをするときにも匹敵するような、ものすごいプレッシャーがかかるってこと。
それに和也がそれだけ耐えられるか、だよ。
明日、ボギーボギーでスタートしてみなよ。もうチャンスはないよ。
ゴルフは難しい。何が起きるかわからないんだから、浮かれてちゃだめ」。
弟を思うからこその兄のこの苦言に、和也はどこまで答えられるだろうか。