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久光製薬KBCオーガスタ 1999

「きょうは自然にコースと戦えた」首位の野上貴夫

 積み上げたバーディは8つ。しかも前半の2番からは4連続。ボギーは、0。「きょうは無我夢中でゴルフをやって、気がついたらこんな大変なことになっていた」と本人もビックリの完璧なスコアカードを作り上げて、首位に踊り出たのが地元福岡出身の野上貴夫だ。
 今季成績は、新潟オープンの11位が最高。賞金ランクは81位(4,717,107円)と、「最悪ですね」と自嘲している。
 もともと、爆発力のある選手だ。だが、ショットにむらがあり、アウトとインのスコアの差が非常に激しいラウンドがたびたびあり、よく自らの成績を「ジェットコースターみたいだよ」と茶化していたものだった。
 「悪いときはとにかく、グリーンに乗らない。それはなぜかっていうと、結局はティショットが思いきり曲がってるから。何がなんでも、ドライバーを振りまわしてたからなんですね。アイアンで打っても攻めてるんだ、そういうゴルフもあるんだ、と思えなくて、前半すごいいいスコアでも、後半にものすごく打ってしまったりしてた」。
 この日はその反省を活かし前半5つ、後半3つ。「きょうは自然な気持ちでコースと戦った」。ジェットコースターから、メリーゴーランドに乗り換えて、野上は国内初優勝(アジアンツアー1勝)にむかって突き進む。

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