Tournament article
全日空オープン 1999
2年連続優勝へ好位置、深堀圭一郎
「あそこに打つ、と決めたらいろいろ考えず決め打ちするんです。考えすぎると転がりが悪くなりますから。それと、歩測して、例えば6歩なら、ここまで上げて、というのではなく6歩のイメージをつくるんです。あとはボールの見方かな。これは去年あるプロの方から教えてもらったことなんです。
よく、アマチュアの方でも『ボールを打ってからも頭を上げるな』と教えらられるといわれると思うのですが、どうやったら『上げず』に済ませるというのは実際には非常に難しい。
でも、このボールの見方をすると、それができるんです。具体的には、その教えてくれた人が、『誰かにしゃべるとご利益がなくなる』といっていたので秘密ですけどネ」
『8バーディ』とはいっても、しかし、プレーの内容自体はそんな単純なものではなかった。2ボギー、1ダブルボギーも含むという波瀾に富んだラウンドだったのだ。
1番ミドル。1メートルにつけて絶好のバーディチャンス。ところがこれを60センチオーバーさせ、返しのパットも入らず。まさかの3パットでボギーとしてしまう。
しかし、続く2番で息を吹き返すチャンスをつかむ。
「2番のティショットがよかったこともありますが、12歩のバーディパットが入って楽になりました」(深堀)
その後、4番、5番も取り2連続バーディで波に乗りかかったのだが、7番でバンカーからのアプローチに失敗して痛恨のダブルボギー。
「叩いてしまっても、取り戻せるという気持ちでやっていましたが、こういう簡単なミスをするのは、これからのゴルフのためにも反省する必要がありますね」
8番、9番でまたも2ホール連続でバーディを奪い、ダブルボギーを帳消しにしたどころか、インに入って12番、16番、17番を取ってこの時点で11アンダーの単独トップに踊り出た。
しかし、「攻めた結果」(深堀)の18番はボギーとし、上がり3連続バーディで11アンダーとした細川和彦に首位の座を明け渡してしまった。
最後は締まらなかったものの、首位と1打差、単独2位。優勝をねらえる好位置でのフィニッシュには大満足の様子。
「今年は2日目によくても、3日目で崩れるパターンが多かった。細川君も先週悔しい思いをしているけれど、僕もランキングよりも勝率を上げたいから、このチャンスはモノにしていかなければと思う」。
強豪ひしめく中、深堀圭一郎が懸命に、2年連続の栄誉をねらっていく。