Tournament article
ダンロップフェニックス 1999
日本、アメリカ、イギリス、スペイン、フランス、オーストラリア、南アフリカのトッププロ7人が、1ホールに1人づつ脱落するという、豪華なバトルロイヤルが行われた。
この競技は、7人の選手による1ホールごとにストロークプレーを行い、スコアの悪い選手がひとりずつ脱落するという生き残り合戦((同スコアの選手が2人以上出れば、アプローチ戦などのプレーオフを行う)。
果して、ゲームの最後に笑った選手は誰か―(写真は、司会進行役の元プロテニスプレーヤーの松岡修造さんと、青木功)
1ホール目(10番・475ヤード・パー4)
注目のガルシアはバーディを奪ったが、3パットをしてしまったノーマンと、グリーンを外し、寄らず入らずだったバンデベルデはボギー。
他の4選手はパーだったため、ノーマンとバンデベルデのプレーオフに。
プレーオフはピンまで60ヤードほどの難しいバンカーショットで、どちらが近くまで寄せられるかで争われたが、先に打ったバンデベルデがグリーンを捉えられずショートしたのに対して、ノーマンはさらにショートしてしまい、ここでノーマンが脱落した。
2ホール目(12番・439ヤード・パー4)
ガルシア以外の5人全員がグリーンを外したが、セカンドを大きくグリーンオーバーしてしまったグーセンだけがアプローチを寄せきれず2パットのボギーとしてしまい、ここで脱落。
3ホール目(13番ホール・332ヤード・パー4)
飛ばし屋がショートカットすれば1オンも可能なこのホールで、右手前のバンカーからガルシアはチップインのイーグルを奪い、あっさりと勝ち残った。
次にオラサバルが3ヤードのパットを沈めてバーディ。
青木、バンデベルデ、ウエストウッドの3人がパーでプレーオフへ。プレーオフはグリーン奥からのロングパットでカップに近く寄せられた者が生き残るパット合戦で行われたが、ジャンケンで勝った青木がまず最初にトライ。
下りのスネークラインを読みきった青木のパットはカップに入ったかに見えたものの、蹴られて50センチほどオーバーした。つづく二人は巧みに寄せるパットをして、青木のボールの内側につけて、これで青木は脱落した。
4ホール目(16番ホール・399ヤード・パー4)
ガルシアとウエストウッドが2オン2パットのパーとしたのに対して、バンデベルデとオラサバルはパーオンできずボギーとしてプレーオフ。グリーン右のバンカーからピン近くに寄せたものが勝ち残るこのプレーオフで、オラサバルのあわやカップインかという妙技にプレッシャーを受けたのか、バンデベルデはピンを大きくオーバーして脱落。いよいよ残り3人。
5ホール目(17番・186ヤード・パー3)
ウェストウッドとガルシア、イキのいい若手2人に囲まれて、ちょっぴりお疲れ気味?オラサバルは4番アイアンでのティショットを大きく左にはずしてしまい、球は松林の中。3メートルに乗せたガルシアと6メートルに乗せたウェストウッドに水をあけられた。
そして、第2打もグリーンに乗せられず、万事窮すだ。ボギーとして脱落。オラサバルは、ここで姿を消した。
優勝者決定ホール・18番、525ヤードのパー5。
最後は、昨年度チャンピオンと、19歳のセルヒオ・ガルシアとの一騎打ちとなった。
ティショットを共にフェアウェーセンターに運んだ2人。
ウェストウッドが第3打をピンまで2メートルに、ガルシアが1メートルに寄せてバーディチャンス。
互いにパットを打つ瞬間に、セキ払いをしたりで相手を牽制するが、無駄な抵抗だった。2人ともきっちり沈めてバーディでホールアウト。
プレーオフは、ピンまで残り80ヤードのアプローチ合戦だ。
これには、ガルシアに軍配があがった。
ピン奥5メートルを2パットしたウェストウッドに対し、50センチにつけ鮮やかなバーディを奪い賞金の50万ドルをゲットした。
「日本で初めての優勝だね!」と大喜びのガルシア。
本戦にむけても意欲満々で、「きょうのプレーは本当に楽しくできたよ。6ホールで4アンダーという成績にも満足だ。本当にいいプレーができたと思う。最終日までずっとこの調子が続くといいけどネ」と、茶目っ気たっぷりに語った。