Tournament article
カシオワールドオープン 1999
米山剛が、5月の三菱自動車トーネメントでプロ入り13年目のツアー初優勝を果してから、早くも今季ツアー3勝目を達成
だが、同じ契約先ミズノの後輩、手嶋多一と通算13アンダー、首位タイでむかえた 17番パー3でスーパーショットを打ってピン80センチにつけると、ようやく欲が出てきたという。
「ここで初めて勝ちたいと思った」(米山)
優勝を意識したこのパットは、「痺れてしまって手が動かなかった」と、ひっかけてバーディとならず。
勝負は18番、パー5に持ち越された。 残り190ヤードの第2打は、4番アイアンで「スライスがかかりすぎて」グリーン右のラフへ。
手嶋は、このホールをパーとして、先にホールアウトしている。「こんな場面でバーディが取れるような実力はない。とにかくパーであがってプレーオフに行こう」
気負いなく打ったアプローチはピン20センチ。
この日7つめバーディ(ノーボギー)で1日を締めくくり、手嶋を1打振りきって勝利をもぎとった。
プロ12年目の今年、5月の三菱自動車トーナメントで念願の初優勝を挙げると、8月のKBCオーガスタ、そして今大会3勝目と、その勢いはとどまるところを知らない。
米山剛のはなし
「勝てた自分が、自分じゃないみたい。別の誰かがプレーしていたような気分です。こんなにうまく行くとは、夢にも思っていませんでした。スタート前は、勝つつもりなんてまったくなく、だから緊張もせず、とにかく自分のベストを尽くすことしか考えていませんでした。ボクみたいな選手が、優勝を狙っていってもそう簡単に勝てるもんじゃない。 これまで勝てなかったときは、勝ちたいという気持ちで自分にプレッシャーをかけていました。何度も優勝争いに絡むと次第に慣れてきて、また一度勝ったことで、だんだんと優勝争いのときの、気持ちの持っていきかたがわかってきたような気がします。
きょうは優勝なんてまったく意識せず、とにかくベストを尽くした結果、勝てたという感じでした。
しかし、丸山君や、きょう一緒にまわった(尾崎)直道さんは、それこそ、毎週でも優勝争いするような勢いでプレーをしている。あれはほんとうにすごいことだと思う。
ボクもこれから何度でも優勝争いを経験し、もっともっと勝てるようにがんばりたいと思う」
写真=今大会をお手伝いくださったボランティアの方がたと記念撮影に収まる米山。今年は延べ200人の地元ボランティアのみさなまに大会運営のお手伝いと、地元・開聞中学の生徒さん51人には最終日、会場内のごみ拾いにご協力をいただきました。ありがとうございました。