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〜全英への道〜ミズノオープン 2000

伊沢利光が、最終日最終組で師匠・尾崎将司と初の直接対決

 飯合肇の目に、伊沢の、その実力が目にとまり、初めて尾崎将司の元に連れていかれたのは大学3年のときだ。当時を振り返り、伊沢は「もちろん、そのときから雲の上の人。とにかくお願いします、という感じでした」。
 その伊沢も昨年2週連続優勝をあげるなど賞金ランク4位に入り、若手No.1のひとりとしてめきめきと頭角をあらわし、今年の開幕前には尾崎に「よくやった」と誉められるまでに成長を遂げた。

 その師匠と、最終日最終組で初の直接対決。これまでの4勝は、95年の日本オープン以外、すべて師匠の出ていない大会だった。それだけに今度こそ、師匠の目の前で真の成長ぶりを見せつけたいと、伊沢利光がラストスパートをかける。

 「今年のはじめに、みんなの前で誉められたことは嬉しい。でも同時に、それを長年続けていくことの大変さを諭されました。ジャンボさんは何年も賞金王の座からはなれたことがなかったわけだけれど、それがどんなに大変なことか、僕にはよくわかっている。
 『今年は、昨年以上の成績を』と抱負を報告したら、『そりゃあ本当に大変だゾ』と言われ、『そうか、昨年以上に練習しなくちゃいけないことなんだ』って思って、今年は気持ちの上では,倍以上の時間を練習に割いています。
 ジャンボさんは、今でも神様のような存在。そんな人と明日の最終日、はじめて回れるわけですけど、楽しみなような…そのまま走っていかれちゃいそうな…。もちろん、阻止はしたいんですけどね。ジャンボさんはなぜか、こういう風の強い中でのプレーが強いから…。でも、なんとかして、“神様”を地上まで下ろしてこないといけないですよね(笑顔)
 昨年の2週連続Vは、たまたまジャンボさんの出ていなかった大会で、あとで冗談で『なんだ、俺のいないときに』って言われましたけど、今思えば、あのときは、まだ直接対決は早くて、明日はようやくそのチャンスをもらって同じ土俵で戦わせてもらえる。そういうめぐりあわせだったんじゃないかな、という気がしています。
 差はたった1個。あってないようなものだけれど、ないよりはあったほうがいいし、並ぶよりはひとつでも上のほうがいい。
 できれば、ジャンボさんがいるところで優勝したい。来年のキャンプでまた、『去年より頑張ったな』って言われたいですから―。

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