Tournament article
久光製薬KBCオーガスタ 2000
大会みどころ
「福岡では、『博多どんたく』につぐ、県あげての一大イベントとして定着しているこの大会。今週は、夏休み最終週でもあります。この夏の最後の思い出に、ぜひ会場に足を運ばれ、選手たちの熱戦をご堪能いただけたら、と思っております。
さて、会場の芥屋ゴルフ倶楽部は、ツアー33試合のうちわずか3つだけという、数少ない高麗グリーンのコースとして知られていますが、その3試合の中でも今大会は、よりその特性を生かせるトーナメントとも言えると思います。なぜなら高麗芝は夏に成長のピークを迎えるからです。酷暑のこの時期は、よりその特徴を生かせというわけです。
今年、芥屋のグリーンはエアレーションや目土、肥料などのメンテナンスを特に入念に行いました。
これは、もともと葉1本1本が太いのが特徴の高麗芝を、葉の細い芝に仕上げるためです。葉が太ければ太いほどボールは、芝の抵抗を受けやすくなりますが、できるだけ細い葉に仕上げることで、ボールに抵抗を受けにくいなめらかなグリーンを作りあげることができるからです。
さらに、グリーン刈りのとき、“バーチカルモーイング”という方法を取りました。
“バーチカルモーイング”とは、人間でいえば髪をブローするようなもの。芝1本1本を根元から起こしつつ、均一に真上に向くようにカットしていき、より速く硬いグリーンに整えるわけです。
また今年から、グリーン回りのセッティングに変化をつけました。
これまではグリーンのまわりに80センチのグリーンカラー、さらに120センチのセミラフ、そしてラフ、という設定にしていましたが、今年はカラーとラフの間のセミラフを無くしました。
つまり、昨年までは多少グリーンをはずしても、チップショットで寄せてなんとかリカバリー出来ていたのが、今回はちょっとでもはずすと、すぐに深いラフに潜りこんでしまう危険性が。今年は例年より雨が少なく、ラフは深くても最大15センチ程度とそれほどタフではないのですが、それでも元々、根がしっかりと張った粘りのある高麗グリーンのこと。そう楽には脱出させてくれないと思います。このグリーン回りのセッテイングをより生かすため、今週はエッジから4ヤードのピン位置のホールを、いつもより多めに設定する予定です。今年、芥屋のグリーンはよりスリリング。グリーン回りでの選手たちの妙技にみどころ多しと言えそうですね」
★ 鈴木規夫プロフィール
1970年代から80年代にかけて、ショットの歯切れの良さと、勝負強さを武器に、ツアー界で大暴れ。76年には予選会から全英オープンに勝ちあがり、本戦ではなんと初日トップに立って世界中に『スズキ』の名を売った。
79年、80年には太平洋クラブマスターズで連続優勝。80年には、賞金ランク2位にも入った。大分県別府市在住。かつては“九州の若鷹”と呼ばれ、恐れられた。
現在は、JGTOエグゼクティブディレクターとして奮闘中の49歳。