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サントリーオープン 2000
「絶対言わない!!」
米ネバタ州立大学出身の佐藤は、英語がペラペラ。
初日は、ニック・プライスとのラウンドにも何不自由なく、「君はアメリカに行っていたのかい? 大学はどこ?」など、プライスから質問を受けたほど。
世間話に花が咲いたが、「これだけはプライスさんには絶対にしゃべらない」と心に決めていたことがあった。
それは他でもない。現在、佐藤が日本ツアーの賞金王に立っていることだ。
なぜなら佐藤は、「こんな選手が、賞金王なんてプライスさんが知ったら絶対に日本ツアーはなめられる」と、思いこんでしまったからだ。
佐藤はここ数週間前から「アドレスがしっくり来ない。構えて、うまく球に当てられる気がしない」とショットが絶不調。
「ショットのたびに、『お願いだからあそこに行ってくれ〜』と、お願いしながら打ってる。でも、今日は完全に視界から消えたショットが2回もありました」とガックリとうなだれた。
「今、すっごいブルー入ってます。明日から『僕はブルーです』ってみんなにわかるように、全身、青い服を着ようかな」と真顔で話す佐藤。
「プライスさんには、僕が賞金王なんて絶対に言わない」と、頑固に言い張った。
それでも、悪いなりに「根性ゴルフ」で持ちこたえ、得意のパターも「炸裂」し、1アンダー、15位タイ(暫定)であがってくるのは、成長のあかし。賞金王の貫禄だ。
2日目も同組で回るだけに、「プレーン、グリップなど参考にしたいところばかり。憧れの眼差しで見ている」というプライスのエキスを存分に吸いとって、賞金王の道をバク進してほしいものだ。