Tournament article
全日空オープン 2000
遠藤誠競技運営ディレクター
北海道のゴルフ場は気候柄、ほとんどのところで、寒地用の洋芝が敷かれています。もちろん、ここ札幌ゴルフ倶楽部輪厚コースも例外ではなく、グリーン上はペンクロス、フェアウェー・ラフは共にケンタッキーブルーグラスという種類です。
この洋芝は、寒さに非常に強い反面、高温多湿の気候下では被害を受けやすい特性をもっています。
平均気温25℃前後。雨もほとんど降らず、さわやかな気候が続くはずの夏の北海道が昨年は異常気象に見舞われ、35℃度以上の真夏日と豪雨が、数日間も、容赦なく降り続きました。
洋芝がもっとも苦手とする、“高温多湿”の気候だったわけです。
このため、北海道のコースというコースが被害を受け、輪厚の芝も根腐れを起こし、フェアウェーは浮き上がり、ヒドイところになると簡単にはがれてしまう。ラフもほとんど成長せず、ところどころで地面が剥き出しという、やむをえない状況でした。
ですが、今年の輪厚は違います。
グリーン、フェアウェーとも、状態は良好で、特にラフは、現在(水曜日)110ミリまで成長し、開催前日の今もまだ成長中。
最終日に向かうに連れて、ラフは、ヘビーラフと呼んでもいいほど成長し、選手たちを苦しめることになりそうです。
洋芝のラフは、巻きつくような感じでクラブに絡み、容易に振り抜かせてくれません。クラブが芝に取られて、ヘッド面のコントロールが非常に難しくなるからです。
ラフからのショットは、困難を極めることでしょう。
グリーン面は、現在スティンプメーター(転がる速さ)10フィート、コンパクション(グリーン面の硬さ)11〜12。
今週に入って雨が多かったため、若干、柔らかめで、それほど速いといえるグリーンではありませんが、最終日に向けて数値は上がっていきます。
ラフと、グリーンのマッチングが日を追うごとに良くなって、グッドショットに対して、それなりのご褒美が来る、理想的なコースコンディションに仕上ってくれると思います。舞台は整いました。
あとは開幕を待つばかり。秋の北海道、選手たちの熱戦をお楽しみください!!