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ブリヂストンオープン 2000
▼ Champion’s Story歴代チャンピオンの今むかし
最終日は、首位の尾崎健夫と2打差2位からのスタート。
「あのときは、ショットが絶不調、まさか勝てるなんて思ってもみなかった」と振りかえるのは、98年大会のチャンピオン、佐藤信人だ。
佐藤はもともと「パットで悩んだことがない」というくらいのパット巧者だ。
当時は、極端なダッグフックのショットに悩んでいたが、それもパッティングでカバー。土壇場の18番では、6メートルものパーパットを沈め、尾崎健夫とのプレーオフに持ちこみその1ホール目にツアー2勝目を挙げたのだった。
「本当にひどいショットがたくさんあった。パットが入らなかったら、絶対勝てていない展開。こんなんで勝ってよかったのか…とあのあと、本気で悩んだくらいです」と佐藤。
「これからもっともっと、強くなるためには、どうすればいいか―」
考えあぐねた佐藤はこの優勝をきっかけに、コーチの井上透氏と、長い、スイング改造の旅に出たのだった。
あれから2年。
佐藤は破竹の勢いで成長を遂げた、といえる。
今季3勝。トップ10入り9回。すでに現時点で獲得賞金は1億円を突破して、堂々のランクトップ。
賞金レースも終盤を迎え、初の賞金王獲得へ驀進中だ。しかし―。
「見ててください、そのうち抜かれます。だって、僕はそんな賞金王の器じゃないですから」
といって謙遜する姿勢は、ゴルフに対する取り組み方と同じ。今も迷ったときは、積極的に井上コーチの指導をあおぎ、向上しようとする。
知名度も、選手としての格も、98年のあのころとは雲泥の差があるが、佐藤自身のコースでのプレーヤーとしての振る舞い方は、今も98年のあのころと変わらない。
今年、袖ヶ浦で佐藤は“賞金王”としてどんな戦いをするだろうか。