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アジアパシフィックオープンゴルフ選手権競技キリンオープン 2000

「きょうは拾いまくりだよ」細川和彦

 細川にとって、ここ茨城ゴルフ倶楽部は想い出の地だ。中学時代にはじめてクラブを握って以来、茨城県・水海道市の自宅から車で10分という、このコースへ日参。当時、ヘッドプロだった佐藤正一プロに、教えを乞うた場所だ。
「もう何百回かわからないくらいここでラウンドしてきて、コースの怖さは知り尽くしている。ここで叩いたときのこととか、嫌なことも浮かんでくるし、大会中は、ピンが左右に振られるからよけいにこわい。今日は必ず打つ前に、キャディに『グリーンのセンターを狙え!!』と言わせて打った。そしてチャンスを待ちました」。
言葉どおり、17番まで耐えに耐えた。10番、459ヤードのパー4では、残り201ヤードの第2打をグリーン手前にはずすピンチも、3メートルのパーパットを辛くも沈めて、しのいだ。
「天気も悪いし、上も伸びてないし、とにかく耐えたよ。もう、今日は拾いまくり」(細川)。
すべてパーで収め、とうとうチャンスがやってきた。18番、519ヤードのパー5。2打目を刻んで、残り50ヤードの第3打を、カップ右横2メートルに乗せるバーディチャンス。球は右、カップいっぱいから半回転で沈んだ。
「今週は地元開催の大会ということで、プレッシャーもある。昨日も今日も、1打1 打、精一杯だった。耐えぬいて、最後に納得のいくバーディが取れた」と、ひとまず 2日間、地の利を生かしたゴルフができて、ホッと息をついた。
今週、細川は頭を下げどうしだ。コースを歩けば、必ず、誰か知った顔に会うからだ。 1アンダー、2位タイで決勝ラウンドに進出した細川にとって、想い出の地で勝って、成長した姿を披露することが、お世話になった人達にできる最大の恩返しとなる。

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