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日本プロゴルフ選手権大会 2000

1年前から佐藤とともにスイング改造に取組んできたコーチの井上透さん

この日も井上透コーチは、佐藤のプレーをロープの外からそっと見守っていた(=写真)。

インパクトで大きく沈みこむのがそれまでの佐藤の「コンプレックス」(佐藤)だった。しかし、昨年1月から佐藤を見ている井上コーチは、「欠点をすぐに治そうとすると、球が打てなくなるから」と言って、違う側面からさまざまに、佐藤に正しいスイングプレーンを教え込んだ。そのひとつが、グリップの改良だった。

「僕はもともとボディアクションはすごく強くて、逆に腕のほうは振れていないという感じだったんです。それで井上君は、それまでは極端に開いていたグリップを、左右ぶつけあうような感じで、ウィークぎみに握ったらどうか、と僕に教えたんです。最初は慣れなかったけど、それでだんだん左右のバランスがよくなって、腕が動かしやすくなり、クラブが振れるようになってきました」(佐藤)。
その2次作用として、ボディアクションが減って、結果的にスイング時の沈みこみがなくなったのだという。

同時に、井上コーチは、佐藤のパットのグリップにも改良を加えた。
それまでの、逆オーバーラッピングで両ひじをはった構え方を、ショットの改造に合わせて、右手小指を左人差し指に重ねるオーバーラップグリップに変えたのだ。
「これも最初は、すごく違和感があったんですが、最近、ようやく慣れてきたところでした。それと4月のつるやオープンから、ショットするときと同じように、グローブをしたままパットするようにしたことが大きかった。そうしたら、急にポンポン入り出したんです。パターとショットは同じものだと考えて、独立させないようにしたのがよかったのだと思う」と佐藤。
ショットとパットのコンビネーション。井上コーチとの二人三脚が今週、見事に実った。

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