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久光製薬KBCオーガスタ 2001

「いつまでも、25歳のつもりじゃ、だめだね…」

 ディフェンディングチャンピオンの伊沢利光が、苦笑いでポツリと言った。
 「自分では、年を取ってる意識はないのにねぇ…」
 8月に再発した古傷の左親指付け根痛。大事を取って、今季メジャー最終戦の全米プロもキャンセルしたが、3週間たった今も、痛みは癒えていない。
 「もう大丈夫かな、と球を打ってみるけど、球数が増えるにしたがって痛みが大きくなってくる。特にロングアイアンのときが厳しくて…今日もやむをえず、ハーフで打ち切りました」
 翌日の本番に備え、この日のプロアマ戦は途中棄権して、ツアー帯同のフィットネスカーで、懸命に患部を冷やし、回復につとめているが、見通しは明るくない。
 「前(97年)もやっているところでしょう。この痛みは、とにかく安静にしているしか、ないんですよね…」と話す表情が曇る。
 病院でのレントゲン検査では、骨には異常は見られず、それには幾分、安心できたようだが、ではいつ完治するか?に関しては、明確な日数がわからず、不安は募るばかりだ。

 「今年に入って練習をしすぎたのかもしれません。自分の年齢(33歳)も考えずにね…」と自嘲気味にこぼした伊沢。

 「アメリカに行って、ちょっと成績が良かったから、と調子に乗ってね。頭は、いつまでも25歳のつもりで、つい無理をして・・・。やっぱり、体は正直です。今後は、年齢と体調の両面を課題に戦っていくべきだと、痛感しましたね」

 それでも、福岡に移り住んで1年あまり。昨年度のチャンピオンであり、地元開催の今週は、そうやすやすと出場を諦めるわけにはいかない。
 「患部を冷やして、病院でもらった薬を飲んで…出来る限りのことはしたい」と、初日のスタート時間の12時34分、ぎりぎりいっぱいまで、治療につとめる。

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