Tournament article
久光製薬KBCオーガスタ 2001
「たとえチョロでも、前に飛ばしたい」(単独首位の平石武則)
「これを入れたら単独トップやなあ・・・」と冗談まじりにつぶやきながら打ったパットがカップに吸い込まれると、「どないしましょう。20年近く選手やってきて、単独首位は初めてですねん…」今年41歳を迎える平石は、戸惑いを隠せなかった。
この日3日目も、最終組でのスタート。「楽しくまわることを今日の基本形にしよう」と決めていたのに、知らず知らず力が入った。8番のファーストパットでパンチが入り、2メートルートル近くオーバーして3パット。次の9番ではティショットを右ラフに打ち込んだ。
「一生懸命しすぎたらあかん。とにかく、フェアウェーに置いとけばなんとかなるんやから」気持ちを入れ替えたバック9で調子を取り戻し、4バーディを奪った。
偶然にも、真板、加瀬との同年代対決となった最終日最終組には「楽しみやね」としながらも、プレッシャーとの戦いは覚悟の上だ。
「絶対にショットは曲がってくると思う。でも、たとえチョロを打っても、前に飛ばしていきたい」
平石が、ツアー18年目の賞金ランクによる初シード、そして初優勝にむけ、執念のゴルフを展開する。