４位タイの井上忠久

　今年のPGA資格認定プロテストで、トップ合格を果たした井上が、ツアー4試合目にして初の予選通過どころか、V争いにも加わりそうな勢いだ。
　「テストに通ってから、ずっと調子が良くて・・・。今週も、パープレーを目指していれば、なんとかやれるだろう、とは予想していたけど・・・」
　自身もビックリの、3アンダーは、4位タイ発進だ。

　今大会、初出場。だが、「いつものトーナメントと同じ感覚でプレー」して、怖気づくことはなかった。
　「練習ラウンドで回ったときは、小さく、傾斜のあるグリーンに、『これはもう、無理せずグリーンセンター狙いだ』と思ってた」と、深いラフに打ち込んでも、落ち着き払って対処して、15番の長いパー4では、チップインでパーセーブ。
　「今日は自分のゴルフができました」と満足そうに笑った。

　大阪の大体大浪商卒業後、米フロリダ州タンパで19歳から3年間、武者修行。
　ミニツアーなどを転戦し、21歳のときアメリカでプロ転向。翌年の帰国後は、日本を拠点にアジアのツアーで戦ってきた。

　現在25歳。そろそろ、修行の成果を出してもいいころだ。
　「優勝・・・なんて大それたことは言わないけれど・・・でも、あのBMWに乗って帰りたいな」と、井上は目を輝かせ、18番グリーン脇に飾られた、優勝副賞の外車を指差した。