Tournament article
ジョージア東海クラシック 2001
「何事にも変えられない、貴重な経験」
ウィニングボールは、そっと、弟子の手に。
「今週は、せっかく担いでもらったんだし、こうやっていい形で締めくくれて、僕としてもホっとしていますよ」と伊沢。
オフに、スィング指導を受けた縁で、今週、伊沢のバッグを担いだ女子プロの“米山みどりキャディ”は、伊沢から、大事そうにボールを受け取って、
「何事にも変えられない、貴重な経験をさせていただきました」
とはにかんだ。
頭を撫でて労をねぎらわれると、それまでこわばっていた“米山キャディ”の表情もようやくほぐれて、「プレー時の立ち位置など、すべてに関して、キャディってほんと難しい・・・。学生のとき以来でしたからね」。“女房役”を務め終えた4日間を振り返り、ホっと息をついた。
初日は多少ぎこちなかったコンビネーションも、日に日に息のあったところをファンに披露。「もしかしたら、プレーヤーより、こっちのほうが、合っているかも」とニッコリ。チャンピオンキャディとしての充実感を漂わせていた。
今週、伊沢のバッグを担いだ米山みどりのはなし「1週間、ほんとうに楽しかった。何かを学んだというよりも、優勝選手のバッグを担ぐことができたということで、何事にも変えられない、貴重な経験をさせていただきました。
もしかしたら私は、選手より、キャディのほうが、向いているかもしれません(笑)。
伊沢さんの技術は、私たち女子プロとは、体力面も含め、かけ離れているし、スィングで、簡単に学べるわけもありませんが、それでもすごいと思ったのは、伊沢さんの決断力の速さ。
さっと距離を判断し、さっとクラブを選ぶ・・・。それはきっと、ひとつの距離に対して、何通りものバリエーションを持っているからなんだろうと思いました。それだけ練習を積み、経験を積んでいるから、状況への不安というものが、ほとんどないんでしょうね。
私なら、迷って悩んで、それでもなかなか打てないんですけどね・・・。
これから自分も、どこまで伊沢さんに近づけるか。次からの女子ツアーで頑張りたいと思います」