Tournament article
三井住友VISA太平洋マスターズ 2001
「上には上がいるんですね・・・」
18番パー5は、ピン奥7メートルに2オン成功。
「“もしかしたら・・・”と優勝を狙って、自分を追い込み、強気で打ちました」というイーグルパットは、わずかにカップをそれたが、通算16アンダーまでスコアを伸ばし、首位と2打差の2位タイで、宮里君が、2年連続のベストアマチュア賞に輝いた。
チャンピオンの伊沢とともに、堂々と表彰席に腰をおろし、「普通の大会なら、16アンダーで優勝できそうだけど・・・。やっぱり、上には上がいるんですね」と言ってのけ、伊沢とがっちり握手で、健闘を称えあった。
予選ラウンドもあわせれば、114人のツアープレーヤーをねじ伏せたが、それでも、「今日は80点の出来」と、反省は怠らない。
2連続バーディで迎えた4番パー3。
「風の読み間違い」で、ティショットを池へ。打ち直しの第3打も寄せきれず、6メートルのパーパットをはずした。ダブルボギーに唇を噛み、「練習ラウンドのうちに、もっとコースを、またグリーンのタッチを知って置くことが大事」と、自分をいさめた。
「伊沢さんのような強い選手と戦うには、最終日は4打差くらいつけてスタートしておかないと」初日の出遅れも、改善点に挙げた。
トーナメント会場に来るとツアー選手たちに、必ず聞かれることがある。
「まだ、プロにならないのか?」
現在、東北福祉大3年生。トップアマとして活躍し、今年の日本アマにも勝った。
ツアーで戦っても、引けを取らないプレーぶりに、「もうそろそろ・・・」と転向を促す声もある。
だが、それを制し、「長い人生、焦ることはないって、思っているんです」と宮里君。
「大学の雰囲気を味わいながら、ゴルフをするのも、またいいものです。あとは、転向までに人間性や、教養みたいなものが、学べればいい」
そのプレーぶりだけではない。終始、笑顔を絶やさず、真っ直ぐと人の目を見て、はっきりと自分の考えを述べる姿勢もまた、印象的だった。