Tournament article
カシオワールドオープン 2001
▼ 線上の選手たち 「なんとか20位内に食い込んで、日本シリーズへ・・・」
「今日は今週一悪い日! チーピンの嵐です」と苦笑いを浮かべつつ、執念の69。
佐藤が、来週に望みをつないだ。
次週の日本ツアー最終戦『日本シリーズJTカップ』は、今年の世界4大ツアー(米)のあとう優勝者と、ディフェンディングチャンピオン、そして、今週終了時点の今季の賞金ランク20位内の者に出場資格がある。この年、もっとも成績を残した選手に与えられる栄誉ある大会として、若手選手たちのひとつの憧れとして位置付けられている。
現在、佐藤の賞金ランクはジャスト20位。
だが、同21位の鈴木、22位の渡辺司らの成績いかんでは、逆転される可能性もあるだけに、佐藤は必死なのだ。
3日目終了時点で、その渡辺が、佐藤と1打差の通算10アンダーで、上位に。
「抜かれないように、なんとか頑張りたい」と張り切っている。
だがその一方で、今週は、シード権争いというもっとも過酷な戦いに挑む選手たちも多数、出場している。
佐藤と同じミズノ所属で仲の良い兼本貴司も、そのひとり。現在、賞金ランク71位(海外メジャーに出場した選手の、海外獲得賞金含む)で、今週の成績いかんでは、兼本でさえ、脱落する可能性も、ないわけではない。だから佐藤も、今週の兼本の動向が、気になって仕方ないのだ。
「なんとか、無事、シードを取ってもらいたい」という思いから、ハーフターン時は必ず、練習グリーン横の速報ボードで、仲間の成績をチェックして過ぎるほど。
「兼本君に比べたら、僕の日本シリーズは、贅沢な悩みですよ・・・」
自分の目標を見据えつつ、仲間の気持ちにも思いを馳せながら戦う、佐藤であった。
※ 世界4大ツアー=米、欧州、豪州、日本の4ツアー