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サン・クロレラ クラシック 2001

「たった一発で、選手生命を失いたくなかったので…」

伊沢は、大量の氷で患部を冷やして回復に努めたが…。
伊沢利光が「古傷」で棄権

 古傷が、再び伊沢を襲った。
 97年シーズンを棒に振った左親指の付け根痛が、先週、前触れもなく再発した。
 今季3戦目のメジャーになる全米プロを再来週に控え、痛みをおして会場入りしたが、この日、スタート前の練習時にテイクバックで痛みを感じて、やむを得ず今週の棄権を決めた。

 最初の故障は97年だった。念願の初出場を決めた全英オープン、出発前の練習時に起きた。無念の欠場。帰国後は、「1ヶ月くらい休めば大丈夫」とタカをくくっていたが、いっこうに回復の兆しを見せず。
 2ヶ月、3ヶ月。何の見込みもないまま刻一刻と時は過ぎ、ツアーを長期欠場。
 せめて練習だけでも、と思うが、痛くてクラブも振れない。悶々と日々を過ごした。

 あのときのつらい経験が、今週、伊沢の頭によぎっただろう。

 「前回の怪我のときよりも、ショットは打てています。でも、ラフに打ち込んだ時なんかが怖かったので…。たった一発のショットで、選手生命を失いたくない。ここでしっかり直しておきたいと思いました」

 いまのところ、1週間、休養を取ったあと全米プロ前週の日曜日に渡米予定。
 ファンの期待を一身に背負っているだけに、出来るだけ早い回復を祈りたい。

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