Tournament article
つるやオープン 2001
「すごく楽しめました」
これまでは、スライスボールを打っていた河村は、今季からドローボールに変えて勝負。
「まだ、ちょっと試合では出来なくてチーピン気味の球が出ることもあるんですけど、ショートアイアンは非常にうまくいって・・・今日は、なんか知らないけど、ピンにばかり行きましたね」
ピタピタとピンに寄せて、スコアボードを駆け上がっていく。
後半の2番パー3では、「ただ乗っただけ」という20ヤードもの長いパットも沈め、1番から4連続バーディ。
あがり9番では、観戦中の知人に、「ここも取ったらコースレコードに並ぶよ」といわれて発奮。
しかし、ピン奥7メートルからの「くだりの難しいパット」(河村)はラインが読みきれず。「とにかくまっすぐだ!と思って適当に打ったら、うまいこと曲がって入っちゃった(笑)」と、終わってみればノーボギーの63。通算13アンダーで、2位以下に大差をつけて単独首位にのしあがった。
開幕2戦の東建と静岡では、納得のいくショットが打てなかった。
昨シーズンの不振を反省点に、オフの間、必死で練習したはずなのに、試合になるとそれが生かせない。思うように振れない。
「それはすべて、気持ちの問題だと思ったんです」と河村。
「スコアを作ろう、とか、曲げたくない、とか考えるから、ついボールを置きにいってしまったんです。それでショットに思い切りがつかず、なんだか、ゴルフに対する一生懸命さも持てなくなった感じだったんですね」
煮詰まった河村が、「一度、間をあけてゴルフを忘れてみよう」と、この3週間のオープンウィーク中に没頭したのが趣味の釣りだった。
海で、何も考えずに竿を垂らしたことがリフレッシュにつながった。
「ほら、久しぶりにクラブを握るときって、楽しみでドキドキするでしょう? 僕も、そんな気持ちにもっていきたかったんですよね」
今週は、久々にコースに出ることを、心から楽しみにしていたという。
今回の9バーディのゴルフには、自身も興奮気味で、「ほんとうに、すごく楽しめました」と声も弾んだ。釣りの効果はてきめんだった。
インタビューの最後に、照れたように河村は切り出した。
「実は、今週の水曜日も、ちょっと淡路島のほうに行ってたんですよ。・・・でも、全然ダメ。引き上げたら魚はくっついてなくて、えさだけ取られていたり(笑)あんまり、いいの、釣れなかったんですけどね」
最終日こそ、“大物”をヒットしたい。