Tournament article
フジサンケイクラシック 2001
発想の転換で、難コースを攻略
先週までの米山の願いは、「パットが入ってくれたらなあ・・・」だけだった。
「ショットは安定していたんですよ。安心して打てるクラブを、手に入れていたんでね」
3週前に、これまで、使っていたクラブを総チェンジした。
ドライバーはロフト9度から、10度のものへ。
「今までは、ロフトのない難しいドライバーで打っていたけど、今は、ムリしなくても簡単に球が上がるようになったんです」
アイアンは、グースネックから、ストレークネックのものへ。
「ドローボールのとき、球がつかまりやすくなってすっぽ抜けがなくなった。安心して、打てるアイアンなんです」
フルモデルチェンジの大冒険は「今年は、スィングをいじって悩むより、クラブで球筋を変えるようにしていこう」と考えたからだ。
きっかけは、開幕2戦目の静岡オープンだった。
所属先、ミズノのサービスカーに置いてあった、試作段階のストレートネックの2本のクラブ。
ためしに打ってみると、フィーリングがいい。
「そういえば、ドライバーはストレートネックなのにアイアンはグースネック。それじゃあ違和感があるな」
その場で、使っていたクラブを「職人」に託し、即席で、ストレートネックのクラブに仕立ててもらった。
「それがとてもよかったのでお願いして、3週あとのつるやオープンで、新しいクラブを作ってもらったんです」
即座に、スィングと、新しいクラブがマッチして、「気分が良くなって、自信も出てきた」という。
あとの心配事は、パットだけ。
特に今週は、目の読みづらいコーライグリーンだ。
対応に困っていた米山の目に飛び込んできたのが、初日の練習グリーン。同組の室田淳がやっていたクロスハンド。 「学生時代にちょこっとやった時期はあったけど、ほとんど初心者だった」というグリップで2、3発、ためしに打ってみると、すべてジャストイン。
「これでいこう!!」
スタート直前の決断で、やっと最後の願いが叶った。
雨風の初日をイーブンパーでしのいで迎えたこの日、2日目。
ニュークラブでのショットはピタピタとピンにつき、ネックだったパットも面白いように決まる。
3番からの6連続バーディで、気づいて見ればトップタイ。
「ここは苦手なコース。取ろうとしてないのに、取れてしまった」と米山。
「クロスハンドで、新しい発見があった。思い通りのクラブを手に入れて、ゴルフも楽しくなった。去年は、意気込みすぎて、ダメだった。今年は、結果が出るなら、なんでもやってみようかな、と思う。いろんな工夫をしていきたいんです」
苦手だったという川奈。発想の転換が、得意コースへと変わったようだ。