Tournament article
アイフルカップ 2002
「こんな調子でV争いなんて」
初日66、2日目68。スコアとはうらはらに、原田の表情が暗い。
「ショットが、まったく芯に当たらない。とにかく、フェースが芯を食っている感じがひとつもない…」
ホールアウト後は、何はさておき練習場に直行し、約1時間。しかし、「結局、何にもつかめませんでした…」と収穫もなく、クラブハウスに舞い戻ってきた原田は、がっくりと、肩を落とした。
もともと、それほど飛ぶほうではなく、アプローチ、パットでスコアを作るタイプだったが、今季は、その持ち味も生かせず、5試合連続の予選落ちも経験した。
今週、その悪い流れを断ち切るため、“エースパター”をバックに入れた。
97年、初優勝を飾ったときも使っていたこのパターは、どんなに不調に陥っても、「これさえ持てば、いつでもどうにかなる」という、キメの1本。
「アドレスで、足をハの字に構えて、体をカップに向かって思いっきり開いて立てる。今日は久しぶりに、5、6メートルが入ってくれました」
パットの心配はなくなったが、通算10アンダー、首位と5打差暫定4位タイにも、原田の心は晴れない。
「こんなショットで、優勝なんて、考えられるわけない」とつぶやく原田は、なんとか回復の糸口が見つかってくれることを願いながらの、優勝争いとなる。