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日本プロゴルフマッチプレー選手権プロミス杯 2002
「新境地が開けました!」
前半の18ホールで、均衡を保っていた佐藤と近藤の決勝戦は、佐藤の1アップで迎えた後半の18ホールに突入すると、一転した。
近藤のミスもあり、1番から3連続アップ。23ホール目には5アップを奪い、佐藤に楽勝ムードが漂う。
それでも、「必ず後半に動きがあるのがマッチプレー」と、気は緩めることなくホールを進んだが、結局、36ホール目を待たずして、7歳年下の近藤をダウン。
5−4の圧勝だったが、優勝インタビューでは、「今回は、ツキも運もあった。マッチプレーという競技方法にも助けられた。ストロークプレーなら、こうはいかなかったんじゃないかな…」と、話した。
どんなに勝ち星を重ねても変らぬ謙虚な姿勢は、デビュー当時のままだ。
そうやって控えめに、しかし着実に、頂点への階段を一歩一歩、踏みしめていくのが佐藤流。
2000年、片山、谷口と最後まで賞金レースを争った2000年より10日早く、この日獲得賞金が1億円を超えた。
あの年、取り損ねた賞金王の座も、見えてきた。
「2年前は、自分でも何がなんだかわからず、毎日イライラしたり、その状況への恐怖心すらあった。今は、優勝争いも、楽しめる自分がいる。今の状況も、冷静に見られる」
ひとつ勝つごとに確実に、精神面での成長も、とげてきた。
今回の勝利では、マッチプレーという「苦手分野」も克服し「またひとつ、新境地が開けました!」と、佐藤。
12月には、現在、賞金ランクトップの資格で受験予定の、米ツアーの最終予選会も、待っている。
今シーズン終盤には、さらに数々の“新境地”が、佐藤を待ち受けていそうだ。