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全日空オープン 2002

「師匠のお世話が、大変です」

久々、師匠との最終組、伊沢利光の心配ごとは…

これまで苦手コースとしてきた輪厚で、2日目終わって2位タイ。
「これまで、リーダーボードにさえ、乗ったことなかったですからねえ」と、伊沢が、満面の笑みを浮かべた。
今週は、ホストプレーヤーとしての責任もある。
上には、師匠のジャンボが立ちはだかるが、「3打差はまだ、全然、大丈夫。優勝? もちろん、僕もしたいですよ」
師匠の2年1ヶ月ぶりの復活Vを阻止する、第一候補が浮上してきた。

3日目は、久々に、その師匠とまわる最終組。
「ジャンボさんとまわってオーバーパー叩いたことって、多分、ほとんどないんじゃないですかね?」と、同組ラウンドにはまったく不満はないが、ただひとつだけ、気がかりなことが…。
それは師匠の、強烈な、負けず嫌い精神。
特にそれは、飛距離の面で顕著に現れ、少しでも伊沢がジャンボより前に飛ばそうものなら、、
「おまえ、何か特別なボールを使ってんじゃないのか?」とか、
「おまえのクラブ、実は、高反発系なんだろう?」とか、
ちくちくと嫌味を言ってくる。
「しかも、わざわざ、僕をそばに呼び寄せて言うんですよ…(苦笑)それに全部、笑顔で答えなくっちゃいけない。僕より20も年上なんだから、そろそろ、飛距離はいいんじゃないかと思うんですけどねえ…。ほんと一緒にまわると、師匠の“お世話”が大変で…」。
冗談めかして、ボヤいた伊沢。
しかし、そんなジャンボだからこそ、過去111個もの勝ち星を重ねてこられたことも、凄さを目の当たりにしてきた弟子には、充分すぎるほど、わかっているのだ。

写真=2位タイに浮上してきた伊沢。この日は、連続バーディを奪った16、17番のショットでつかんだものがあった。「細かいことは気にせず、腰の切れだけで振っていく。去年、調子が良かったときと同じイメージ」。これまで苦手だった輪厚のグリーンの芝目もほぼ征服し、翌日からの決勝ラウンドにはますます期待が持てそうだ。

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