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ダンロップフェニックス 2002

「できれば、米ツアーのシード奪回」

この1勝が新たな一歩、横尾要が再び大海原に漕ぎ出す

最終日、ホールアウト後のインタビューで、海外招待選手たちは揃って、「ヨコオ」の名前を口にした。

「“ヨコオ”は、素晴らしいプレーをした」
「“ヨコオ”には、とうとう追いつけなかったよ」
「“ヨコオ”は非常に、将来性のある選手だね」

彼らの脳裏には、この日の横尾のプレーぶりが、くっきり、焼きついたはずだった。
あのウッズにも、初めて勝った。
おそらく今週の優勝で、200位の枠外にはみ出していた世界ランクのポイントもかなりアップして、当然、200位内には、返り咲けるだろう。
だがそれなのに、横尾の敗北感は、どういうわけか、いっそう強くなる。
「改めて、彼らとのレベルの違いを、感じた」と横尾は言う。

「今週の彼らには、時差ぼけもある。
コースは、僕が慣れ親しんできたフィールドだし、応援も、断然、日本人の僕に多い。
それらが有利に働いただけで、もしここが向こう(アメリカ)なら、僕は絶対に、勝てていない。今日一緒に戦ってみて、このままの自分では、彼らには、とてもじゃないけど、ついていけないと、分かったから…」

勝って、課題が見つかった。
もっと全般的に高い技術と、体力面の強化。
「やらなくちゃいけないことは、一杯ある」と、優勝に奢ることなく、なおいっそう、横尾は自らを、追い込んでいく。

出場権を失った来シーズン。
アメリカにとどまって数少ない出場チャンスを伺いながら、下部組織のネーションワイドツアー(今季名称・バイドットコムツアー)にも、積極的に戦いの場を求めていくプランも、考えている。
そうまでしても、横尾がアメリカにこだわるのは、
「このままでは終われない」との思いからだ。

「せっかく、ここまでやってきたのだから、できれば、来シーズンのシード奪回。それにウッズにも、向こうの試合で、シーズン中ぜひ勝ってみたい…」
その2つが実現してはじめて、この1年間のうちにすっかり失ってしまった自信が、取り戻せるのだと、横尾は考えている。

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