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日本ゴルフツアー選手権イーヤマカップ 2002
< 初日、首位に立った選手たち > ・ 「マジックです」
ホウライの森に、まだ朝もやけむる7時36分−。
スタートの10番パー5で、バーディ発進。次の11番パー4は、残り107ヤードの右ラフから、ピッチングサンドでなんと、チップインイーグル。
目も覚めるスタートダッシュは、「井上マジック」と、佐藤。
前日まで、ショットが絶不調だった。
「体も疲れきっているし、体が突っ込んでしまって思うように振れない」
コーチの井上透さんにそう訴えて、スイングを見てもらった。
「ハンドファースト目にインパクトするイメージで振ってください」
と、返ってきたアドバイスどおり、スタート前にショット練習を、15分。
「その場しのぎの応急処置で不安もありながら、とてもうまくいきました」
持ち球のドローにさらに磨きがかかり、「ティショットでフェード球を多く要求されるため苦手だった」というここホウライも、完全攻略。11、13、14、15、1、2、5、6番の8ホールで、スプーンを握り、確実にフェアウェーを捕らえ、首位獲りに成功した。
実は前週、井上さんは夫人の出産に立ち会い、会場には来られなかった。今週は久しぶりの現場レッスンで、いきなりその成果をあげただけに佐藤は、コーチの手腕に改めて感服せずにはいられなかったようだ。