Tournament article
サン・クロレラ クラシック 2002
今年、10年ぶりに日本ツアーに復帰した直道
もちろん、コース名物の強風も「未知の世界」で、開催前に、他の選手から、その情報だけは仕入れていた。
「オレが勝った小樽の日本オープン(99年)の最終日のようなのが、4日間吹くって!」
風に対する警戒心は、持っていたものの、この日午後からの、天候の豹変ぶりには、ただただ、目を丸くするばかり。
「もう、ほんと、マイッタ!!(苦笑)風はいいけど、雨は降るな〜って、お願いした矢先にドバ〜っと降ってきて。カッパのせいで、ジト〜とした汗が、首にまとわりついて不快だし、もう、自分が何をやっているのかも、わかんない状態だったよ」
頭から、雨のしずくを滴らせながら、早口でこの日のプレーを振り返った。
とはいえ、厳しい状況に置かれるほど燃えるのが、マムシのジョーの異名を取る直道だ。
最も激しい雨が叩きつけた後半の6番、7番で連続バーディ。
「自分でも、信じられない。“おマグレさん”ですよ」と、おどけたが、根拠はある。
「ウッドで打った難しい第2打が、全部、(グリーンに)乗ってくれたから」
また5月から、使い始めた長尺パターも絶好調だ。
「なんてったって、距離感がいいね。短いパターも外してないし、そこそこ、良いタッチが、出来ているってことなんだろう」と、自信もチラリ。
「…まあ、こんなひどい雨の中、たったひとつのきっかけで、あっけなく崩れ去ってしまうことはわかっていたから。持ちこたえられたのは、うれしいけどね」
帰り際、そばを通りかかった青木功に、「おまえは、もっと大きなこと、言ってアピールすればいいんだよ!」と頭をこづかれ、「僕は尾崎家に似合わず、謙虚なんです」と笑顔で切り返した直道。
1打差2位での決勝ラウンド突入に、今季初Vの期待が膨らむ。