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JCBクラシック仙台 2003

JCBクラシック仙台3日目友利勝良が大きくリード、2位と5打差の通算17アンダーで8年ぶりの優勝へ王手!

最終日は、自分の息子といっていいくらい年齢が離れた宮里優作(22歳)との最終組。「彼は若いし、よく飛ぶしねえ。・・・そういえば彼の高校時代にはすでに僕のほうが40ヤード近く、置いていかれてました(苦笑)」。
今も覚えている。宮里がまだ高校生のときだ。友利VS強豪アマ2人、ベストボール方式のテレビマッチで戦った。勝負は、友利が7バーディを奪いながらも17番までオールスクエア。迎えた18番、友利は3パットで敗れた。「あのころから“良く飛ばして生意気な子だなあ・・・”って(笑)。なんて、それは冗談ですけど、明日も、彼に前をいかれて力が入ってしまうかもしれませんね」
もうひとり、最終組で戦う25歳の高山忠洋も、飛ばし屋だ。「明日もまた2人に置いていかれて、冷静にやれるかどうか・・・」と笑うが、その言葉も自信の裏返しにしか 聞こえない。
実は友利の本音はこのセリフ、「・・・でも、彼らと僕とでは、ゴルフのスタイルが違いますから」。
飛距離は出ないが低く打ち出す正確なショットと、長年の経験に培われたゲームプランでは、若い2人には絶対に負けない。この日3日目の7番では、右の林に打ち込んだピンチの第2打を、アップヒルのグリーンに向かって地面から上1メートルを這うショットで木の下をくぐりぬけ、打てる位置まで持ってきた。パーで切り抜けファンを心底うならせた。
当の友利は「ヘヘっ」と笑ってから「いやあ、僕にはそういうことしか、出来ませんので・・・」と謙遜したが、それこそが自分の武器、と自負している。
7バーディノーボギーのゴルフで、宮里、高山に5打差をつけて迎える最終日。2年後に計画をたてている欧州シニアツアーに心置きなく参戦するためにも、ぜひとも欲しいのが8年ぶりのツアータイトル。「明日は守っていたら、いけない。ダメもとで、攻めていきます」穏やかな口調の中にも、その目は鋭く光っていた。

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