Tournament article

JCBクラシック仙台 2003

『いちばん、好かんのです!』18番で3打差、ほぼ勝利を確信した友利勝良の脳裏をよぎったこと

通算21アンダー、2位と3打差で迎えた18番。グリーン奥からのアプローチを打つ間にも、友利の頭にはあることで、一杯だった。
それは、ホールアウト後のヒーローインタビューについて。
もともと、口数の多くない友利は、スピーチが大の苦手。「カラオケでも、マイクを向けられると、つい、顔をそむけてしまう。それくらい、この世でいちばん好かんのです(苦笑)」
もちろん、8年ぶりの優勝はしたい。しかし、そのあとの表彰式のことを考えると、友利は憂鬱になっていた。
「できれば、(優勝賞金の)2000万円だけいただいて、あとは、勘弁してもらえんかなあ、と本気で考えていましたよ」。
本人のそんな心配をよそに、いざ、スピーチが始まると、満員のスタンドは笑いの渦に包まれた。訥々(とつとつ)とした喋り口調には、かえって誠実さも感じられ、ギャラリーに大きな拍手で迎えられた。素朴なスピーチには、飾らない友利の人柄が色濃く、にじみ出ていた。

    関連記事