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マンシングウェアオープンKSBカップ 2003

『気持ちは、乗ってます』宮瀬博文は3位タイ、早くも今季2勝目のチャンス

いつもニコニコと穏やかな性格に見える宮瀬だが、ジュニア時代から宮瀬を良く知る 横田真一はこう証言する。「宮瀬君は実は、けっこう怒りっぽい人なんです。もちろ ん、それも周りの人に迷惑をかけるような切れ方じゃなく、一人でコソっと怒ってる ような、ね」。
過去2度、挑戦した全英オープンでもそうだった。初出場の97年、2000年いずれも予 選落ち。
「“クソっ、こんな遠くまで来て何やってんだ”って相当カリカリしてました」と振 り返る。97年は「こんな場所にいっときもいたくない」と、速攻で会場を後にしたも のだ。だが2000年は「さすがに、腹は立つけど、せっかく来たのだから、勉強して帰 ろう」と、最終日まで残ってトッププレーヤーのゴルフを観戦した。
ロープの外から冷静に見るメジャー戦は、「感動」の一言につきた。タイガー・ウッ ズの優勝シーンには、「鳥肌が立っていた」。そして思っ た。「こんな凄い場所で自分もプレーをする機会を与えられたんだ・・・」

このとき宮瀬は、世界最古のメジャー戦に再挑戦することを、誓ったのだった。
前週の日本プロから6試合の獲得賞金額上位4人と、最終戦のミズノオープンの最上位 者に、全英オープンの資格が与えられるが、日本プロで予選落ちしている宮瀬は、現 時点では対象外。だが今週、もし勝てば一挙にチャンスが見えてくる。
先週の会場で、いつも体を見てくれるツアー帯同トレーナーの成瀬克弘さんから、 「アドレスで猫背になっているよ」との指摘を受けて、週末は姿勢を正してスイング する練習に、時間を割いた。「おかげで今日はラフに入れたホールも思いつかないく らい・・・。日に日に体のターンが良くなって、安定したショットが出ています」 と、3バーディノーボギーのゴルフを展開。最終日を前に、死角はない。
開幕2戦目のつるやオープンでプレーオフを制してから約1ヶ月。早くも巡ってきた今 季2勝目のチャンスに「気持ちは乗ってます。明日は自分のペースを守ってプレーで きればかなり・・・」。口元まで出かかったV宣言は、いつもの人の良い笑顔でのみこんだ。

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