Tournament article
日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒルズカップ 2003
『会場の宍戸ヒルズカントリークラブのコースセッティングについて2』JGTO競技運営ディレクター/日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒルズカップツアーディレクター 山中博史
4番ホール(415ヤード、パー4)左に池が広がるパー4は、ティショットは打ち下ろしとなるが、280ヤード地点からフェアウェーが狭くなっており、左に飛びすぎるとハザードにつかまる恐れが。安全にフェアウェーウッドで攻める選手も多そう。セカンドショットはショートアイアンの距離になりますが、左足下がり、前足上がりのライ。グリーンの左3分の1は池方向に傾斜しているため、左に跳ねることが多くなり、ドロー系の球で攻める選手には、特に注意が必要となります。ティショットのポジショニングが明暗を分けるホール。
5番ホール(390ヤード、パー4)池絡みのとても美しいホール。ですがその景観の中に罠が隠されています。ティショットはほとんどの選手がフェアウェーウッドやアイアンで刻んでくるでしょう。残りはピッチングウェッジやサンドウェッジの距離となりますが、スピンがかかりすぎるとグリーンのアンジュレーションに流されてしまいます。フェアウェーキープとセカンドショットのスピンコントロールがカギです。
7番ホール(192ヤード パー3)グリーンの左半分が池に囲まれている、これまた大変に美しいホールです。比較的大きなグリーンは視界に飛び込んでくる池も気にせず、中央狙いでいいのですが、ピンが左サイドに切ってあるときは、池が充分に利いてくるセッティング。果敢に攻めるのか、安全にグリーンをとらえるのか、選手たちのジャッジが見ものです。選手のメンタル面が特に試されるホールです。
いずれも池絡みの16番(170ヤードパー3)、17番(470ヤードのパー4)16 番はグリーンに奥行きがあり、見た目の安心感を誘うが、実はピンポジションによって難易度が大きく変るホール。たとえば左手前のピンポジションなら、池が心理的に効いてきて、途端にプレッシャーがかかってくるといった具合。
17番は運命を大きく左右する、終盤のキーホールです。通常はパー5として使われているこのパー4は、ティショットがしっかり当たれば、残り150ヤード〜170ヤードの池超えのセカンドショットに挑めますが、ミスすれば池手前のレイアップを強いられます。受けグリーンは池に大きく傾斜して、奥につけるととても速いパッティングが残ってしまいます。終盤の攻防のかぎを握るホールです。
最終ホールの18番(437ヤード パー4)今回、新しくティインググラウンドを設置したフィニッシングホールは、ティショットの前後左右が大きな木々に囲まれ、フェアウェーが狭く見えるため、優勝争いのプレッシャーに拍車がかかります。ティショットの狙い目は左サイドのバンカー右。曲げるとフェアウェー左右の木がスタイミーとなり、グリーンが狙いづらくなります。正確なティショットでフェアウェーをとらえて、バーディでクライマックスを締めくくりたいところです。
今大会のチャンピオンには、5年間のシード権と世界ゴルフ選手権NECインビテーショナルへの出場権が与えられるなど、選手たちのタイトルへの意気込みは相当なもの。そんな選手たちの気持ちに応えられるセッティング作りと大会運営を目指して、4日間、僕たちスタッフも精一杯、努力したいと思っております」