Tournament article
日本プロゴルフ選手権大会 2003
『今は初めて日本にきたころと同じ気持ちです。』2位タイのトッド・ハミルトン、連覇に好位置
前週のフジサンケイクラシックは、実に5年ぶりの優勝だった。
それまでにも経験豊富だった実力者。それが98年をさかいにしてプッツリと勝ち星から見放された原因を本人は、米ツアーのフィル・ミケルソンを例にあげて説明した。
「メジャー大会で、あと一歩で勝てるという場面。彼は最後の最後に短いパットをミスしていつも負けてしまうんだ。それは、彼がメジャーに勝って当然の選手だとみんなに思われているからこそ。この僕の5年間は、それと同じ状況だったんだ」
勝てなくなってからの日々、「ふいにゴルフが楽しくなくなった」と打ち明ける。調子が悪く、成績も下降線をたどり始めた途端「ゴルフは単なる仕事」としか、思えなくなってしまったからだ。
そんな意識を持ちながらのプレーで、なおかつ思うような結果が出せないと、気は滅入るばかり。一時は「コースにも行きたくない」とまで思い詰めたことさえあったという。
「・・・でもね不思議なもんで、こうして調子が上がってくると一気に気持ちも前向きになってくる。今では、日本に初めてやって来た頃のように、ほんとうに楽しんでゴルフができているんだ」
日本ツアー通算8勝のハミルトンの今週の目標は、いまだ果たしたことのない2週連続優勝だ。「ぜひ、達成してみたい。今日はこの厳しい天気の中、良いスコアで上がってこれたし、自信も、どんどん深まってきているよ」いつものポーカーフェイスでサラリと言ってのけた。