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ダンロップフェニックストーナメント 2004

横尾要「バーディの数なら、負けてないんだけど」

スタートの1番で、3メートルのバーディチャンスを決めると、3番で手前6メートル。11番はピン左から9メートルをねじこんだ。13番、16番でも、右6メートルを決めた。「自分でも、びっくりするくらい、今日は長いのが入ってくれたよ」。

昨年まで7年連続出場の今大会では、いつも半そで姿でプレーしていた。
「上にセーターなんか着た年は、なかったはずだよ」。
しかしこの日は朝から荒れ模様。冷え込みもきつく、セーターの上にレインウェアを羽織らないと、思わず身震いが来る悪天候。
「今日のフェニックスは、難しいなんてもんじゃない。全ホールがパー5だった気がするよ」。

そんな難条件での2アンダーに、当の本人が思わず首をかしげる。

「やっぱり、このコースには“何か”あるのかな…ってね」。

やはりウッズほか、世界ランカーたちが集結していた2002年の今大会。横尾は、その年まで2年間挑戦してきた米ツアーでシード権を失って、傷心のまま帰国した直後だった。
その中で、強豪を押しのけてみごとツアー4勝目を飾った過去がある。

この日初日もけして調子が良かったわけではない。ゴルフ自体は今夏以降から不振に陥ったまま、いまだ出口は見つかっていない。
それなのに、この日初日の好発進。

「ここに来ると、なんだか良いプレーができる気がするのは、確かだね」。

首位のウッズとは3打差。「…バーディの数なら、負けていないんだけどねぇ」と、苦笑いを浮かべながら、「この状況で5アンダーなんて僕は絶対無理だし、ボギーなしってのがすごい。相手が相手だし、ここから落ちないように頑張るだけ」と横尾。

ウッズのロケットスタートに、「僕らにはもう、チャンスがない」と、つぶやいている選手が多勢を占める中、フェニックスと相性バツグンの横尾には、2年前の再現を期待したい。

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