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ダンロップフェニックストーナメント 2004
タイガー・ウッズ勝つための秘訣は「常に1打1打に集中すること。それだけです」
「ショットが、楽に打てている。今年、ずっと調整してきていることが、形になってきたよ」。
犯したミスも、冷静な判断できっちりと取り返す。7番パー4で、ティショットが右の林へ。さらに松の木の根元からの第2打は、木に当たってセミラフに出ただけだった。
「7番は、2回もミスをしてしまったけど、2つとも、良い方向に行ってくれたから良かったよ」。
そこから残り167ヤードの第3打は、9アイアンでピンそば60センチ。みごとなパーセーブを披露した。
16番では、第2打を手前バンカー目玉に打ち込んでいよいよボギー。2年前の今大会3日目の14番から続いていた連続ボギーなし記録こそ途絶えたが、それも最終18番でしっかりと取り返した。
ティショットで、はじめスプーンを握っていた。フェアウェー右サイドのバンカーを越すには、315ヤードのキャリーを要求される。「今日はバンカー手前に刻んで、2アイアンでグリーンを狙う」という攻略を描いていたウッズに、キャディのスティーブさんがドライバーを差し出して言った。
「今日はドライバーで280ヤードも飛ばせば、バンカーを超えられるよ」。
「…今日の風はフォロー。彼の言うとおり、この風なら超えられるだろう、とドライバーに持ち替えたら、第2打は5番アイアンで楽々と乗せられたよ」。
ピンまで7メートルのイーグルパットは惜しくも外れたが、余裕のバーディフィニッシュ。
3打差2位で追いかける横尾が、なかば呆れ気味に言った。
「…テレビを見ていたら、18番の残り距離は237ヤードって出ていたけれど…。237ヤードを5アイアンで打つような選手とは、あんまり一緒にまわりたくないっていうのが本音(苦笑)。彼は、僕とは違う次元のゴルフをしている」。
そのウッズが、ここフェニックスの攻略法や、優勝するために必要なことについて聞かれるたびに繰り返すのは、いつも以下の3点だ。
1.フェアウェーをキープすること。
2.ピン手前につけて、のぼりのパットを残すこと。
3.スコアより、常に1打1打に集中すること。
いたってシンプル。その姿勢は前日初日のような荒天下でも、この日2日目のような晴天時でも、変わることはない。