Tournament article
アイフルカップゴルフトーナメント 2005
深堀圭一郎「ここ鳥取でできる限り、良いプレーを見せたい」
無茶は承知だったが、同大会は全英オープン日本予選の最終戦。
もちろん、メジャーの連続出場を狙っての強行軍だったが、会場の瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山)に深堀があわられるなり、ジャンボや直道らが口をそろえた。
「お前、そんなことしていたらそのうち体壊すぞ」。
「・・・やっぱり、先輩の言うことは聞くべきでしたかね(苦笑)」。
案の定、とうとう体が悲鳴を上げた。ひどい股関節痛で、先週までの3試合で予選落ち2回、棄権が1回。
今週のこの大会も、火曜日の明け方まで出場を悩んでいたが、元来のド根性魂は静まらなかった。幸い、日々のトレーニングとリハビリの成果で、痛みはやや快方に向っていた。
「体が、コースに行きたがっていたから」。結局、今週も足は自然と会場に向いていた。
トレーニングメニューをすべてこなすには、毎日3時間を優に越える。毎晩、大量の氷風呂につかる荒
療治も、根気良く続けている。
使用する氷は、バケツ3杯分。宿泊先の浴槽に水を張って浮かせ、5分浸かって一度出て、というのを3回繰り返す。
あまりの冷たさに歯の根も合わず、歯と歯をガチガチといわせながら、それでもじっと我慢していると、上がったあとは逆にポカポカと温まり「体が締まって、元気になれる」という。
それほどの努力を続けてもまだまだ本調子ではなく、通算10アンダー首位タイに躍り出てもなお、「狙って勝てる状態とは言えない」が、昨年からここ鳥取県の大山アークカントリークラブに会場を移した今大会は、山陰エリア初のトーナメントだ。
「あまり鳥取でゴルフをする機会もないし、初日からたくさんの方が見に来てくださっている。出来る限り、良いプレーを見せたい」。
何よりファンのために、今週も深堀は歯を食いしばる。